お盆。
福岡では、お盆にご先祖様をお迎えする時には他県にはない独特の用意をするようです。
仏壇には稲の一種で編み込んだ敷物の「こも」を敷き、その上に蓮の葉を置いて更に野菜などのお供え物を置きます。仏壇にはその他に果物、小さな御膳などを配置、花を飾り、提灯で明るく照らします。
8月13日の午前中に家族みんなでお墓をお掃除して、
夕方からまた家族全員が集まり迎え火をします。
迎え火とは玄関前の提灯の下で、おがらという麻の茎を燃やしてご先祖様をお迎えするというお盆のしきたりです。その炎から一本の線香に火をもらい、その線香を「こちらですよ〜」と言いながら、仏壇まで持っていき、ご先祖様を家の中までお招きします。そして、全員で仏壇にお参りするのです。
15日には今度は送り火をして、ご先祖様をお送りします。迎え火をした同じ場所で日が暮れた頃に、おがらに火を付け、「また来年も来てくださーい」と空に向かって手を振るのです。
その後、仏壇に置いたこもの中にお供え物を入れ、左右をひもで縛り担ぐ事が出来るような形にして、天国へのお土産を作ります。そしてそれを近くの公民館へと持って行き、お供えをし、そこに設置されたお参り場所に手を合わせます。今年もたくさんの人がお供え物が入ったこもや紙袋を持ってきていて、御線香を立て、熱心に手を合わせていました。
このような目に見えないご先祖様の霊に対して、一年に一度お迎えをするために入念な準備をし、心を込めて祈る気持ちを持つ日本人を素晴らしいと思うのです。
日本人でよかった。
この家族のもとに生まれてきてよかった。
ご先祖様だけでなく、先に旅立っていった大切な友も
会いに来てくれていると信じ彼らのご冥福を祈り、手を合わせました。祈りの力を信じて。
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