『ヒップな生活革命』(朝日出版社)
佐久間裕美子さんの本を読み終えました。
最近、おしゃれな雑貨屋さんで
文具やちょっとした布のバックなどに
Brooklyn
Portland
の文字を見かける機会が
ぐっと増えたと感じます。
もちろん、これまで通り
Paris
や
Hawaii
の文字がデザインされているのも多く見かけますが
NY
New York
などのロゴデザインよりも
Brooklyn
Portland
の率が高いと感じられるのです。
雑誌での特集、かわいい写真が満載な旅系の本でも
ブルックリン特集やポートランドを紹介するものが目に付きます。
それらは一体、どういうことなのかが、
この本では触れられています。
物価が大都市に比べて安く、消費税がなく、
「「住みやすい都会」という文脈で口の端にのぼることの多い都市」だというポートランド。
佐久間さんは
「今、デザインや雑誌の世界で「ポートランド」がひとつのキーワードになっていることにきがついている人もいるかもしれません。デザインでいうと、ちょっぴりレトロで手づくり感あふれ、温かみのある感じとでも言えばいいでしょうか。」
「歴史的に林業が盛んだったこの土地の男たちのスタイルが、ポートランドの外に「輸出」されるようになったからですが、その背景には、ポートランド的価値観が徐々に主流の文化に影響を及ぼすようになったことがあります。」
と述べています。
また、ブルックリンについても
「ニューヨークという街を語るうえで、ブルックリンが担っている文化的な役割の度合いはどんどん大きくなっています。ブルックリンで作られるクラフト(手工芸品)やファッションなどが日本にも数多く輸入される今、「ブルックリン」はもはやブランド化したといっても過言ではないことは、日本にいても雑誌などを見ていれば分かるかもしれません。」
とも述べています。
佐久間さんがアメリカへ渡った1990年代後半には、アメリカで作られたものをアメリカで探すことが困難だったとか。
それがいまは、近くで作られたものを
大切に愛着を持って使い込んでいく、という方向に変わってきている。大量生産、大量消費から変わりつつあるアメリカ。
ポートランドやブルックリンでは
「一目見て値段やブランドが分かるような、お金があれば誰でも手に入れられるようなものを持つことはちょっとダサい、という空気が漂っている」
とも佐久間さんは感じていらっしゃいます。
他にもたとえば
使うための物だけではなく
食べ物についても
「近郊の農家で穫れる食材の味を活かした「ニュー・アメリカン」と呼ばれる素材料理」
を提供するお店がニューヨークのレストランに増えてきたり、
責任のある食べ方を考え、提唱するスタイルのお店が出てきたり、
ある一定のルールに即して
環境的使命などを果たした会社が認定される
Bコーポレーション
というシステムについてや、
物をただ買うだけではなく、
その物に付随したストーリーも一緒に求められる世の中になってきたこと、
ZINEの立ち位置が変わってきて
ニューヨークのアート専門書店のプリンテッド・マターが、ニューヨークとロスで開催するアートブック・フェアでは
魅力的なZINEを探し求める人が増えてきていること、
などなど
物、食品など
私たちが日常で使ったり食べたりしながら接しているモノへの
人の関わり方の変化について
わかりやすく述べられています。
無駄はなくして
ひとつひとつにこだわりを持って
大切に接していくことによって
決して量的に多くはなくとも
非常に満たせれたものを
受け取ることができる。
そんなことに気がついて
時代が変わってきていること。
アメリカについて述べられた本ですが
いまとこれからの日本にも通じる話がいっぱいな本でした。
で。さいごに、
この本で紹介されていた
シェリル・ダンさんの映像作品
観てみたくなったなあ!
日本の地方創生、に役に立ちそうなお話ですね。
このことを深く学んで、日本の様々な都市で講演してみては
どうでしょうか???
まりさんなら、出来そうです。。。