読み終えた素敵な本
『ミナを着て旅に出よう』
ファッションブランド
ミナ ペルホネン
を立ち上げたデザイナーである
皆川明さんのエッセイです。
タイトルは松浦弥太郎さんが皆川さんへの感想として書かれた言葉を使ってつけられたとか。最後には松浦さんとの対談も収められています。
皆川さんの気の長さというか
長期の目線の構えに
凄いなあ・・・の連続。
「僕は、ミナを本当に長く続けたいと思っているんです。今は100年後に向けての準備期間だと考えて、毎日を過ごしています。」
自分の作り出したものが何十年と続いたらいいなあと漠然と思うことは出来ても、
こんな感じで、目の前のこととして100年後に物作りを残すことを考えて今を過ごしているだなんて。本当にすごい。
何年経っても美しいものってありますよね。
絵画や写真、音楽などでも
すごく前に出された作品なのに
今触れていてもすごくカッコいい、とか、
嫌な感じの古臭さを感じない、とか。
そういうものの魅力って
一体なんなんだろう、って不思議に思っていたんですが
皆川さんがこの本の中で「流行」と「スタイル」について書いているところがあって、
あ、もしかして、こういうことなのかなあ、なんて思ったんです。
「流行の形とスタイルは絶対に違っていて、スタイルは、時間が経ってもそのスタイルとしてずっと認知されて残っていくものですが、流行はスタイルまではとても追いつけなくて、地に足が着いていない感じがしますね。」
時を越えても
普遍の美しさを光らせているというのは
一つの芯のあるスタイルがあるからこそ、なのかもしれません。
物もそうだけれど
生き方とか、自分自身にも
「スタイル」を持てるような
振り回されず、自分らしく、っていう生き方が出来たらいいなあ。
いろんなことに自由に、どんどん進んでいく皆川さん。
「たぶん、長く続いているブランドも、そこまでくるのにたくさんの失敗をしていると思うし、失敗しないようにするっていうことは、過去の成功したデータに基づいて進んでいくということだから、それでは結局過去のスタイルをなぞるだけになってしまう。僕はそういうやり方はしたくないんです。」
同じ失敗は二度と繰り返さないことも大切だけれど、そればっかりにとらわれていると、なんだか自由になれなくなってくるのかも。
とりあえずやってみる。
しかも、やったことがないことを。
心配も多いかもだけれど
きっとその分のワクワク感とか、
達成感とか、
返ってくる充実度もぐんと大きくなるんでしょうね。
ミナの服はギャップのある人に着て欲しいのだとか。
スタイルのある、美しい布から作り上げられたミナの服
素敵に着こなせる人になりたいなあ
素敵なまりさんなら、きっと着こなせる気がしますよ(笑)。