三十六代 木村庄之助さんが書かれた本
『大相撲 行司さんのちょっといい話』(双葉社)
を読みました。
本屋さんで偶然出会った文庫書き下ろしの本でした。
お相撲を
行司さんの目線から見て
大相撲の世界に引き込まれる一冊。
お相撲にあまり詳しくない私としては
行司さんというと
はつけよーい、ノコッタノコッタノコッタ
と言いながら土俵の周りを蟹走りしながら着物で頑張っている方
というくらいにしか知らなかったのですが
この本を読んで
いろいろと
見方が変わりました。
行司さんは
土俵でのお仕事以外にも
番付表を手書きで書いたり
(それも誰もが行司ならば書けるというわけではないことや)
お相撲さんたちと同じ相撲部屋で生活したり、
行司さんにも序ノ口格行司からスタートする番付社会があったり。
行司の最高峰である
立行司の
木村庄之助になるまでには
それはそれは長い道のりなのです。
そんな行司の世界に入るためにも
様々な難関があって
そもそも行司さんの定員というものがあり、これが45名だそうで、
つまり、誰かが辞めないと、新しい人は入れない。
定年は65歳で
新規採用は義務教育を修了した満19歳までの男子、
しかも公に募集があるわけではなく、
知り合いの相撲部屋の人に頼んだり、
知り合いの知り合いから声がかかったりしないと面接まで至らない
というのですから、
本当に様々な関門があるわけで。
そういえば
入門するにも狭き門ということでは
歌舞伎もそうですが
今年から
こども歌舞伎スクールが開校されたりもしていて
今後、
こども行司スクール
なんてのも出来たりするだろうか
などと勝手な妄想が広がってしまいした。
この本には
行司についてのあれこれが詳しく書かれているだけではなく
行司さんから見たお相撲さんについても、ちらほらと触れられています。
印象的だったのは
横綱になる直前の日馬富士関の話。
「そしてなにより、全身から、オーラが出ていました。力士が強くなる時って、他を寄せ付けないようなオーラが出るものなんです。それが日馬富士関にはありました。」
と語られています。
ノッテるとき、
調子がいいとき、
勝ってるとき、
いつもと同じようで
何かが違うものなんだろうなあ。
そんなわけで
今度から
お相撲中継を見る時は
どうにも行司さんのあれこれが気になって仕方がなくなりそうです。
あ、そういえば
三十六代木村庄之助さんは
鹿児島県枕崎市出身だとか。
偶然にも
土曜からのお仕事は
鹿児島うまいもんフェアだわ。
おすもうを見るのが楽しくなりそうな一冊ですね。☆
でも、まりさんとおすもうとの取り合わせは、一見、接点が
なさそうに見えるので、微妙ですね。(笑)