コーヒーの物語

12月に行われたクリスマスディナーショーに今回
朗読が組み込まれました。ご参加下さいましたお客様から朗読の原文を教えて下さい。
とのリクエストがございましたので、藤沢様の許可を頂きサイトにアップさせて頂きます。



「コーヒーの物語」 原作:藤沢文翁


コーヒーが世界に生まれたわけ。それにはこんな言い伝えがある。
悪魔が天使に恋をした。悪魔は生まれた時から悪魔で、天使は生まれた時から天使だった。
悪魔は何が自分を悪魔にさせているか分からず、また天使も何が自分を天使にさせているか
分からなかった。それは炎が氷に恋をするのにも似ていた。愛し合えば、氷は炎に溶かされてしまう。
それは。闇が光を愛するのに似ていた。闇が光を抱けば、闇は光に溶かされてしまう。
傷つけ合いながら、からみあいながら、ちょうどいい距離も分からずに、天使と悪魔は求め合った。
天が落ち、海が煮えたぎり、雷が大地を割っても。それでも、悪魔は天使に恋をした。
悪魔は生まれた時から悪魔で、天使は生まれた時から天使だった。悪魔は何が自分を悪魔にさせているか
分からず、また天使も何が自分を天使にさせているか分からなかった・・・


恋に落ちた天使と悪魔など、誰も祝福しなかった。この世の果てで、世界の終りの場所で、
誰も知らない崖の上で、行く場所などどこにもなかった。風が研ぎすまされたスペイン鉄の剣のように吹き
荒み、天地が割れるこの場所で、もはやかける言葉など残されてはいなかった。この世の終わりの地で、
世界の果てで、天使は静かに悪魔のてを握った。その場所はあまりに
暗かったので、天使は微笑み、そして光が満ちた。その場所はあまりに静かだったので悪魔は歌い、
あたりは音楽で溢れた。二人は踊った、いつまでもいつまでも・・・世界の終わりの地で、まるで世界が
永遠であるかのように・・・


いつまでも、いつまでも、踊り続けた天使と悪魔は、いつしか神々の祝福を受けて、飲み物になった。
それは、コーヒーといった。だから、よいコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、
天使のように純粋で、愛のように甘い。人は天使にはなれない。天界で羽をもぎ取られ地上に落ちた堕天使。
しかし、悪魔にもなれない。知っているから。一人では生きられないことを・・・信じて、裏切られ、愛して
、別れ、それでも寄り添わなくてはいられない。音楽も、物語も、それを伝える為にあるのかもしれない。
白と赤、天使と悪魔、アナタと私。それは、混じり合いたくても混じる事が出来ない、それでも一つに
なりたい、全く異なる二つの思い。だとしても、一年の一度だけ、みんなが一つになれる。みんなが優しく
なれる。それがクリスマスかもしれない。クリスマスはこの世に魔法の杖を振る。ほら、すべてがより優しく
、より美しい。皆様に良いクリスマスを・・・

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