『奪還』

何度かお会いしたことがある知り合いの方がモデルになっている登場人物が出てくる小説を読み終えました。

『奪還』(講談社)
麻生幾さんの小説です。

もちろんフィクションの小説ですが、
モデルになっている方というのは、万が一ほとんど全部本当だよと言われても
なんか妙に納得できちゃうかもというくらい、
オーラのある方です。

私の知り合いって、すごい人とか偉い人とかいっぱいいるよなあ
私も頑張らないとなあ
なんて思ってみたりして。
だからフィクションだってば。

海を舞台に闘い抜く者たちの
スピード感あふれる物語。
『海猿』や政府物、軍事物好きにもたまらない作品かもしれません。

この本を読んでいて
正義とは何か
という疑問が出てきました。

正義を辞書で調べて見ると、
「正しいすじみち。人がふみ行うべき正しい道」や、
「社会全体の幸福を保証する秩序を実現し維持すること」
「社会の正義にかなった行為をなしうるような個人の徳性」などと書かれています。
(使用辞書は主に広辞苑)

ここで気が付いたのは
辞書で言う「正義」は、「社会」と結び付けていることが多いということ。
分配することも公平であることも、その社会の全体像が見えていなければ出来ないことです。
あくまで個人の考えだとしつつも、その個人が社会の中で正しいことを選んでいくわけで、
社会によって選ばされた正義とも言えることもあるかもしれないと感じました。

この本の主人公、河合が信じる「正義」は、
河合の中にある信念であるのです。
それぞれの個人の中に、それぞれの正義があり、
人はそのために全力で突き進んでいる。
「正義」について、どきっとさせられる瞬間がありました。

社会に正義を押しつけられるような形で、
それに沿ったものを演じているのなら、
それはその人の「正義」とは言えないのではないだろうか。
そんなことを考えたりもしました。

賛否両論かとは思いますが、
河合の潔さと、強い信念、ゆらがない正義には、
一種のカリスマ性のような、人を引き付ける強い力があると思います。
カッコイイって、こういう感じなのかな。



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