一日が一生『ショーペンハウアー 大切な教え』

年末ですが、何かの特別なイベントなのか
午前中にたくさんの子供たちが幼稚園バスに乗り込んでいました。

お母さんたちに見送られ、幼稚園の先生らしき人が引率し、
子供たちはみんなそれぞれに
お母さんに向かって「しーゆー」「ばいばーい」
つまり
See you.
Bye-bye.
と叫んでいました。
英語系の幼稚園なのですね。

幼稚園のお出かけなので、そんなに長い時間のお出かけになるわけでもないのでしょうが、
子供たちは、もはや今生の別れかのように
いつまでも「ばいばーい」と手を振りながら自分のお母さんを必死に見つめているのです。
何度も振り返りながら。
中にはなかなかお母さんの手を離そうとせず、今にも泣き出しそうな子もいました。

この微笑ましい光景を見てから、私は近くのカフェに入ったのですが、
そこで読んだ本に、まさにこの光景と繋がることが書かれていました。

『ショーペンハウアー 大切な教え』(イースト・プレス)
哲学者アルトゥール・ショーペンハウアーの言葉を
友田葉子さんが日本語訳にしてまとめた本です。

この中に、

「一日は、小さな一生だ。毎日の起床が小さな誕生、毎朝のすがすがしい時が小さな青春、毎夜の就寝が小さな死なのである。」

というフレーズが出てきます。

幼稚園バスに乗り込む小さな紳士淑女にとっても、
一日が小さな一生だとしたら。
あのお出かけ前の「ばいばーい」が
突然、当然の言葉のようにも聞こえてきました。

一生かのような長い一日のスタート、
幼稚園バスでの出発は青春の始まりを意味していて、
夕方には疲れきって家族のところへ帰り、
文字通り死んだように眠る。

せっかくの哲学的な雰囲気を壊した気もしますが、
「一日は小さな一生」というのは、
その時の私にとってはなんだかとても
心にぴたりと当てはまったんです。

ショーペンハウアーのこの本は、
いまだ本屋さんによく目立つ場所に並んでいることが多いニーチェの本に
書き方が似ています。
とても読みやすく、1つの事柄に1ページという贅沢な構成で、
哲学ってよくわからないと思って毛嫌いしていた人でも
さらさらと読むことが出来ると思います。

人の心のあり方、気の持ち様で幸せにも不幸にもなるということ、
書物との接し方など、
もちろん多少の偏りはあるものの、
読み進めて行くとショーペンハウアーの確固たる考えの強さが感じられます。

この本を閉じた瞬間には、

他の意見を聞くことと、他の意見に惑わされることは大きく異なる

と私は感じました。






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コメントのお返事です。

なみへいオヤジさんへ
配達はスーパーなどでもサービスでやってくれるところも増えてきましたね。
ネットスーパーなら確実に配達してもらえるし。
やっぱり重たいものは運転できない私としては、配達してもらえると便利だなあって感じます。

きたざとあみさんへ
上野の駅弁は昔よく食べましたよ。
上野発の夜行列車ってのに乗って秋田まで行っていたので。
でも確かに朝早いと…難しいのかも。
せっかくなら駅弁を食べたいよねえ。

風来坊さんへ
おお、なんと身近に駅弁に詳しい方がいらしたとは。
貯金箱になるものって多いのかしら。
ネットで調べていたら、他にもありましたね。
器をコレクションする人がいるからかしら。
555円は超レアなんですね。なるほど。

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