ダイオウイカが
熱い!
国立科学博物館でも
7月から「深海―挑戦の歩みと驚異の生きものたち」の特別展が開催中ですし
http://deep-sea.jp/
先日、新宿の東急ハンズに立ち寄ったら
入り口すぐの目立つ場所で
深海の生物とダイオウイカの特集コーナーが組まれていたのを発見。
本屋さんでも
新書で、わりとマニアックな内容なのかなあと思うものなのに
人気の新刊文庫と並んで
目立つ場所にどーんと陳列されていることが多い
『深海の超巨大イカを追え!』(光文社新書)
まずは文庫を読みましたよ。
移動の合間に
夢中になって読んでいました。
これは著者が
NHKスペシャル深海プロジェクト取材班+坂元志歩さん
番組「NHKスペシャル世界初撮影!深海の超巨大イカ」の
撮影舞台裏を綴ったドキュメンタリーの本です。
http://www.nhk.or.jp/ocean/giantcreature/
海が大好き
潜るのも大好き
そして潜る時に生き物なりその目的の居場所なりを撮影することが
すごくすごく大変だということを体感してきた私としては
世界初の成功を収めた人たちの記録、
熱いだろうなあと思って読み始めました。
読み終えて
想像した以上に
ぐっと来た。
静かに、そしてひしひしと、熱かった。
本を読んでいるのに
ドラマチックな映画を見ているような気持ちになった。
こういうドキュメンタリーのものって
苦労があって、それでも諦めないで頑張って、そして達成、という感じが
多いかなあと思うんですが、
この物語は、単純にそれだけじゃなくて
その「諦めない」度が、半端じゃないんです。
追いかける研究者、NHKさんたち、
それに反対する力が外部のみならず、内部からも。
それでも負けない。
絶対に負けない。
なんとかして繋いで、プロジェクトを守って行く。
そう、プロジェクトを守るっていう
我が子を必死に守るような
熱く、力強く、愛のこもった情熱。
それはもう「執念」をも
何か超越している世界のような気がする程です。
ダイオウイカと遭遇し
動画の撮影に成功したチーム。
「10年に及ぶダイオウイカとの闘いの幕は下りた。
潜水時間は400時間以上。深海カメラを沈めた回数はじつに520回。かつて誰も信じてくれなかったダイオウイカを撮影するというアイデアは、人から人へと受け継がれ、少しずつ実現に近づいていった。
小笠原の漁師が生活から導き出した経験、取材によって得た膨大なデータから見えてきた法則、そして、11カ国50名もの人々が集まった潜水艇の撮影チームの志。
情熱という種が人々の間で転がりながら、一つの実になっていった。
このプロジェクトに参加したのは、ほんの少しの夢と情熱をもち続けたごく普通の人々だ。地道に研究を重ねてきた研究者、休むことなく撮影に挑んできたカメラマン、苦労をいとわなかったディレクター、現場に戻り陣頭指揮を取ることを選んだプロデューサー……。
成功など、全く約束されていない。日々孤独感に苛まれ、苦しむことはわかっていても、誰も挑戦をやめなかった。」
最後のこの文を読んだ時
ぞくっとしました。
本当に、
「成功など、全く約束されていない。」
どころか、みんなに否定され、それを映像で証明することが叶わない日々を
10年も積み重ねてきた人たちなんです。
10年です。
これが3年だったとしてもすごいと思うのに、
桁違い、10年。
10年は決して短い年月ではありません。
反対側の風に立ち向かい続ける10年は
どれほどのものであったでしょうか。
最近、ソラトニワ銀座のS×G Box Beautyの「麻里ずなう」コーナーなどで
泣けるものを探すっていうのをやっているんで、
いろいろ、泣けそうなものも探して読んだりしていたんですが、
この本は、そういう探し方じゃなくて、趣味で読みたくて読んだ、という感じだったのに、
うるっとしちゃったので、
私の「涙deトックス」の「うるうる素材」入りとなりました。
この本の内容は
もちろん過去に、テレビ番組としても放送されているものですが
8月下旬からは映画館でも上映されるとか
http://www.livespire.jp/
巨大スクリーンで
超巨大なダイオウイカを~♪
すごい。想像しただけですごそうだ。
最後に
船酔いと闘いながらイカ工船を頑張り続けた尋常じゃない執念のスタッフさんのために、
抜群に効く酔い止めが開発されますように~と願って
今日の読書感想文は、
おしまい。
くいしんぼうな私は、このイカなら、どれだけ多くの方の

お腹が満たされるだろうか、とか、どんな食べ方がおい
しいのだろうか、、、という、変な目線で見てしまいました。
きっと、この撮影スタッフには、全くなることができない
タイプなのでしょう。