重松清さんの小説を読みました。
この本は単行本はなくて、
連載から文庫オリジナルになった、出たばかりの作品。
タイトルになっている「星のかけら」は
持っていればどんなことにも耐えられるという噂のお守り。
小学校六年生のユウキが主人公。
友達と一緒に噂の「星のかけら」を探しに行ったユウキは
そこで亡くなったはずの女の子、フミちゃんに出会います。
学校でいじめられていたユウキ。
フミちゃん、そして「星のかけら」を通して
生きるっていうこと、死んでしまうということについて
考えて行きます。
この本の
なんていうか、クライマックスというか、
強いメッセージとしては
ユウキが考えていたこと
「「死ぬ」ということが、ぼくには、まだ、よくわからない。(中略)でも、「死ぬ」というのは、どういうことなのだろう。「いなくなる」のと同じ意味でいいのだろうか。「終わってしまう」のとどう違うのだろうか。」
そして
フミちゃんのお母さんが言っていた
「『死ぬ』っていうのは、ただ『いなくなる』っていうだけじゃないの。『生きられなくなっちゃう』ってことなの」
っていうことなんだろうなとも思ったのだけれど
実はこの文庫には
キャンペーンの帯がついていたんですね。
「ワタシの一行」っていう。
本の中から一節を選ぶ時、
同じ本から選ばれた一節でも、人によって全然違う部分を抜き出すんじゃないだろうかっていう。
この本の中での私の一行は
こっちだったんですよね。
「ひとの心って、理屈できれいに割り切れるほど強くないし、冷たくもないんだと思う」
本を読み終わった後の感想としては
圧倒的に
生と死についての考えを巡るものだったのだけれど
「ワタシの一行」っていう観点から言うとこうなるかなって。
心をぐいっと掴んできた一行っていうか。
『星のかけら』
生きていれば未来がある。
何かをすることも、どこかへ行くことも。
まだ見ぬ明日がやってくる。
可能性が広がっている。
可能性の扉を
開くことも出来るし、
ある程度、自分次第で、
どこへでも向かって進むことが、許されている。
今、あの命が生きていたら
何をして、どんなことを思って、どこへ行ったんだろう。
そういう、可能性。
未来が必ず誰にでもやってくるとは限らない。
けれど、その「可能性」や「夢を描くこと」を
今現時点で約束されていることだけは、確かなんだな。
まりりんさん、今日も、よい本に出会えましたね。
そして、毎日を意味あるように生きる、というのは、
簡単なようで、大変難しいですよね。
さて、ちなみに、今日は、まりりんさんにとって、
どんな一日でしたか???