桃まつり「雨の日はしおりちゃん家」

先日、舞台でお世話になった森田亜紀さんが監督・脚本された作品「雨の日はしおりちゃん家」を観に行きました。
森田さんの演技が凄く好きなので、今回監督をされていると知って楽しみにしていました。会場でもお会いできたので嬉しかったです。
「桃まつり」では、三人の女性監督の作品を鑑賞しました。
ユーモアや遊び心で散りばめられた一本目の「愛のイバラ」好奇心をくすぐるシュールな展開と、個性のあるキャラクターを8ミリで撮影してリアルな世界観がツボでした。映像が面白かったです。

二本目は森田さんの作品「雨の日はしおりちゃん家」私は、このタイトルから膨らんでくるイメージと雰囲気が凄く好きです。雨の日はしおりちゃん家、晴れの日はゆきちゃん家。
幼い頃の二人の少女が交わす遊びのルールは、どこか懐かしく胸をほんわか温かくしてくれました。少女から大人になっていくうちに、薄れてしまった気持ちや、無くしてしまった純粋なあの頃を自分と重ねながら懐かしく思いました。そんな淋しさを彷彿させながら、大人になった二人が再会し、それぞれの人生を送っているが、どこか今に物足りなさを感じている二人‥
いつのまにか疎遠になり、異なる人生を歩んでいる二人が今こうして隣に並んでいる姿を、絶妙な距離感で表現されていて、観ていて居心地のよい絵でした。
二人の性格の違いがストーリーなかで見えてきて、歩む人生のすれ違いも妙に切なく、胸の奥に染みてきました。
雨と晴れのように、二人は異なって、交わったり離れたり…けんかしたりなぐさめ合ったり…きっと小さな出来事を重ねながら今を見つめ、健気に生きているのだという印象を受けました。
強気に見えるゆきこは、繊細で脆く、大人しそうなしおりは、実はたくましい精神を持っているのだな、なんて思ったり…
ゆきこの強い瞳から溢れた一筋のなみだは、繊細な一人の女性の強がりのようで、
しっとりと温かくもあり、孤独への対抗心、生きる決意のようにも見えて愛しくなりました。人の体温を感じる、いい作品でした。

三作目の「MAGUMA」私も陸上をやっていたので、ランナーズハイの感触が蘇ってきて、彼女の強い意志と貪欲な精神に胸が高鳴りました。求めるが故に乱れる心の動きの躍動感が面白かったです。登場人物の少ない中でも、役者さんたちの芝居が光っていて、目を離せない展開が刺激的でした。マグマのように燃えてうねるような感情を持つ事って、私にとって欠かせない欲望のような気がします。

どの作品も楽しめました。創作意欲も刺激されて、芝居したい!という感情がかき立てられました。ひとが創るものは、本当に面白いです。
もっと観たいなー。

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