イタリア写真展


北風がビルに反射し靖国通りを気まぐれに吹き抜ける冬の午後、昨年買った軽量ダウンコートを首元までしっかり閉じて坂を上がる。

向かう先はイタリア写真展(入場無料!我ながら賢い主婦)。

開催されている文化会館はかれこれ五年程前に建て替えられた当初、赤い外壁が問題となり物議を醸しだした。
都知事も会見で怒りまくってたなぁ。

イタリアンレッドvsTokyo由緒ある町並み。

すぐお隣りはお城があるんだもん、そこにレッドはないだろ‥みたいな。
そもそも日本には景観に関する厳しい条例があんまりないんだもんねぇ。
そっちの方が問題に思う。

しかしこの建物、今となってはすっかり風景に溶け込み浮いてる様子などなくむしろモダンでクール、私は好きだ。
恐るべしイタリア、デザインの国だけある。

入口にはパステルのカラフルなベンチが置かれグレーのコンクリートに実に映えている。
日本人にはなかなか思いつかない配色だ。

一歩中へ足を踏み入れると、目の前にイタリア人写真家達の作品130点余りがパノラマに広がる。

入口付近から右回りにじっくり観賞。

テーマとなっているのは世界遺産だが、そこは写真家それぞれの視点で切り取られている。
平原にそびえ立つ神殿から古代の繁栄を想像させるものや、生活の一部として人々のリズムの中に景観が混ざり合っているものや。

写真家の呼吸と感性が捉えた0.001秒のシャッターを押す瞬間に思わず息を呑む。
不変的といえる世界遺産と現代を生きる人間のコラボだ。

写真は生き物だと思った。

自分がそこに今いる。
王宮玄関広間を見上げ、渓谷を見渡し、歴史地区の小路を地図も持たず赴くままに歩いていた。

外は師走の東京。
重い扉を押すとそこはイタリア。
そして壁に飾られた写真の数々は窓となり自由な旅へと私をいざなった。

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