『64 ロクヨン』

移動中に繋ぎ繋ぎで読んできた小説を読み終えました。

『64 ロクヨン』(文藝春秋)

横山秀夫さんの小説。


今回の本屋大賞ノミネート作品の中の1冊です。

毎年楽しみにしている本屋大賞ノミネート作品の発表。

これまで自分目線だけでは手に取らなかったような作品も
ノミネートされたからには…、と手に取ってみたりして。

そこでまた新たな発見と出会いがあったりするのも
私の中での本屋大賞の楽しみ方の1つです。

今回の作品も実はそんな、自分だけの目では本屋さんの本棚から引き出せなかったかもしれない作品。

ドキドキさせられる急展開に
時間の区切りで本を閉じなければならなくなる度に

あーっ、続きが…続きが気になる~

と、もぞもぞしておりました。

ようやく一部分の仕事がひと段落ついた感じもあったので
ここぞとばかりに、ラストまで一気読み。

事件を追うミステリー小説ではあるのですが
読み終えた後に、まだ何かが残っている感があって
また別の作品も読みたくなるような
続編とか出たら読んじゃうんだろうなというような
ざらっとした物が舌の上に残るような作品でした。

事件は解決、すっきり爽快、
というようなミステリー小説じゃなくて

なのに不愉快な未解決感は残らない、不思議な感覚。

世の中、全てのことが
一度にすっきり解決することなんて
そうそう無い、という認識のもとで
日々人は生きているからなのかもしれません。

小説ですから、もちろんフィクションではあるのですが
半分はフィクション
でも半分は本当のことなんじゃないかとも感じさせるような
現実感、立体感を持った生々しさが存在している気がします。

読者が
ミステリー小説において
当然ラストには何らかの解決が見られると
暗黙の了解で期待していたことが
違う結末を迎え、
そして新たに、別の展開から新たな結論が導き出されて、
小説の中の時は止まる事なく流れて行く。

現実では
A件はばちっと解決したけれど
B件についてはやや進展したが、やはりまだ保留な部分も多くあと一歩で確信に迫りそうで迫り切れない話、
C件についてはA件とB件の話をしているうちに靄の中に隠れてしまってうやむやのまま、忘れたわけじゃないけれど、今は一旦仕方が無いので休戦しましょう、ということ。
そういうことが
同時進行していることもよくあること。

でも小説の中では
A件もB件もC件もある程度の結論というか
落し所がきっちり描かれて、読み終えた読者の着地点を用意してあげている。
だからこそ、「小説」なんだけれど。

音楽の勉強をしていた頃の
属七の和音の話に似た感覚を覚えました。

超乱暴に理論をすっとばして例えると
ドレミファソラシ~
と音階を上り調子で奏でて
次に来るのは?

ドレミファソラシ~

の次、高い音の方の「ド~」を期待してしまいません?

ドレミファソラシ~の次に高い方の音程のド~を演奏すると
ちょっとホッとして、落ち着く所に着地できた感じがするというか。

その、高い音程のド~を演奏せずに
ずっと
ドレミファソラシ~の、シ~のまま放置しているような感じ。

作曲家が、シ~の次に高い音程のド~を楽譜に書き込まなければ
次はずっと来ないわけで、
シ~のまま、なんともふらふらした、あやうい状態、ある種の緊張状態が維持されているわけです。

でも作曲家によっては
あえてこれを効果的に使う人もいる。

今回の小説『64』は
なんだかそんな匂いがしました。

続きじゃなくても
同じ作家さんの他の作品も読んでみたくなったなあ。

そういえば
「やり残しがあると、人はまた、再び、その地を訪れる」
という話を、とある人たちと先日したところで

なんかそんな策略にはまったような気もしないでもありません。

本の世界は
楽しいから
策略にどっぷりはまりきってみる
っていうのも、ありだよね。




・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
コメントのお返事です。

ぺんたゴン太さんへ
いつも応援ありがとうございます♪
これからも頑張ります!


ミーシャさんへ
物作りってみんなで作っているんですよね。
誰一人欠けたって成功しないし、完成させられない。
いろいろな現場ですごく感じてきました。
今回のかずさアークBeauty Projectも本当にいろいろな方が
関わってくださっています。
おっしゃる通り、写真や映像で表に出ている人たちだけではなく
その何倍もの人数の人たちが尽力して、頑張ってくださっているんです。
いいプロジェクトになるように私たちも頑張ります。


のぶちゃんさんへ
我孫子市はツツジで、菜の花は県の花でしたか。
それもまた初めて知りました!
朝ご飯の場所は駅から近い場所にはいろいろありますね。
東京に来てから便利だなあと改めて感じています。
パセリは思いきってお味噌汁にしてみちゃいました~。


炎の人さんへ
イネスさんももちろんそうですが
本当に、世界中にはパワーに溢れる女性たちがたくさんいて
憧れますね。元気と勇気をいっぱいもらいます。
何か夢や目標に向かって頑張っている人は
その活躍の世界や男女を問わず、輝いていて素敵ですね。
伊東豊雄さんは昨年から様々な賞の受賞で日本のニュースでも大きく取りあげられていますね。私は建築には詳しい方ではないのですが、
やはり毎日過ごす空間を作り出す芸術家さんという観点から、
いろいろな宇宙を演出して幸せな空間を生み出してくれる魔法使いのようなイメージもあります。
「贅沢」はいろいろな捉え方がありますね。
「よりよく生きる」というのにも納得させられました。やりたいことを思いっきりできる
環境にいることも贅沢の1つですね。


ジンさんへ
私も正直パセリを味噌汁に使ってみるのは勇気がいりましたが
パセリのいろいろな食べ方を検討してみたくて。
パセリそのものの味がお嫌いでなければ、美味しく楽しめる味になったと思います。
普段と同じルートをちょっと料金をプラスしてより快適な旅を楽しむというのも
贅沢な雰囲気がありますね。
ちょっとした疲れも癒してくれそうですね。
駅弁も楽しい贅沢だなあって感じます。
私も知らない場所に出張に行って、駅弁があると食べてみたくなります。


南栗橋博士さんへ
「漢方」と言うと日本で発展してきたものを指すんですよね。
でももともとの流れは中国の古典の医学で、そこから日本に来て「漢方」
になったものもあれば、おっしゃるように、韓国の方へ行って違う発展を遂げたものもあるようです。インドの古典医学アールユヴェーダの先生によれば、
それら全てのもとがアールユヴェーダにあったのではないかという説もあるのだとか。
歴史の中にいろいろな想像が膨らんじゃいますね♪


ヤーテさんへ
私も漢方の勉強をしてからパセリの力に驚いて
今まであまり食べてこなかったけれど、これからは積極的に食べる野菜に
組みこみたいなあと思いました。
生で食べた方が良さそうな気もしますが、いろいろなアレンジを楽しめるようになったら
いいかなあと思って思いきって味噌汁にしちゃいました。
カスタードクリームはケーキ類に使ってもフルーツとの相性も抜群だし、
クリームパンのようなパン生地に合わせても優しい味わいになり、
シュー生地のサクサク香ばしい感じともまた絶妙なコラボになるという
私の中では最高のクリームです。大好き!
有名店のスイーツのお取り寄せ、いいですね~。
ドライフルーツもやっぱり基本的には美味しいと感じる物を
楽しく食べるのがいいなあって思いますが、
こっちか、そっちか、どちらか、どちらも食べたいけれど選ぼう、
何て言う時は、効能などもみて決めてみるのもいいかなあなんて思います。
クランベリーは味がとにかく大好き。
生ではなかなか食べられないのが残念です。


壮さんへ
東京エリアも強風が凄かったですよ~
台風かとおもうような状態で驚きました。
車の中まで土が積もるだなんて、大変でしたね…おそるべし、風の力。
パセリさんですか!
なんか自分の身近なキーワードが思いがけない場所で出ていると
どきっとして反応しちゃいますよね。
パセリの力、私も漢方の勉強を通して見直しました。


ダーナさんへ
パセリの味噌汁、勇気を持って食べてみました。
想像していたよりは、なかなか、常識的なお味になったと思います。
パセリはいろんな食べ方を思い付かないかなあと模索しています。
優秀さ加減に、私も魅かれちゃいました。


庄司さんへ
パセリの味噌汁はびっくりされている方も多かったみたいですが
一緒に食べたいと思っていただけたということは
ちょっとは美味しそうに見えたかしら?!
理想の旦那さん像とか時々聞かれますが、なかなか難しいですね~。
どちらかと言えば、しっかり守ってくれる人がいいかなあ。
私、ひとりっこだし、一人でいろいろ行動しちゃうくせに、案外寂しがり屋なので。


カドさんへ
パセリは確かに、私も
身体にいいよ~と昔言われたなあと
思い出しました。
昔の人が言ってたことって結構理屈に合ってたりすることが多いんですよね。
私も漢方の勉強をしてパセリを見直しました。
オークラアカデミアパークホテルのシュークリームは
キャラメルの味がするクリームは何がベースになっているんでしょう。
カスタードクリームは下の段に詰まっていて、合わせて食べてもとても美味しくて
何個でも食べたくなる最高の味でした。また食べたいなあ。


tsuyoshiさんへ
毎日つきあわなければいけないストレスの解決って
難しいものが多いですよね。
私もいろんなことがあって、日々悩んだりもしましたが
結局自分の気持ちを前向きにしてあげられるのは
自分の心、自分の考え方なんだなあと思って
なるべく前向きに、前向きにと無理にでも思うようにしていました。


まるみるさんへ
ドライフルーツ、美味しいものが多いですよね
中にはお砂糖をたっぷり使っているものも多いので
原材料の表記に気を付けるようにしています。


カカオネコさんへ
ちょっと贅沢な指定席の電車の旅、リッチな感じになりますね。
ボックスCDもなるほど~って思いました。
世界一周旅行はセレブな感じがしますね。
最後の海鮮丼で、ちょっと、うふって思いました。納得させられるし、
なんていうか、目の前にリアルな感じで飛び込んできたような感じで。


隼人さんへ
日常から離れられる状況を作る事ができること
その時間を確保できることは
すごく贅沢な時ですよね。
私も、何かをすることによって贅沢を感じることもありますが
逆に何もしない時間を味わうことによって贅沢を感じることもあります。


みーさんへ
VOGUEは大好きな雑誌なので、似合うって言ってもらうと本当に
心が舞い上がります。
もっともっと自分らしさといろいろな部分を多面的にも磨いて
頑張って重ねていきたいです。

コメント

今、このコメントを書いているマックは64ビットマシンです
2の6乗4の3乗、さらに8の2乗と、64という数字には個人的にお世話になりました

大学が、理系だったので…
でも今は、簿記とFPの勉強に役立ちましたよ☆彡

くり

南栗橋博士 2013年03月21日

まりさん、お返事、ありがとうです。チューリップ
またまたいい本に巡り会ったのですね。クローバー

ちなみに、今、私は、葉室麟さんの『蛍草』と、
中村彰彦さんの『真田三代風雲録』を読んで
います。。。芽
相変わらず、歴史オタクなので。(笑)

まるみる 2013年03月20日

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