『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

ようやく読むことができました。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)
東野圭吾さんの小説です。

出版された頃から気になっていたのですが
春に出た本、秋にようやく入手。
前回の『清須会議』も同じく。

東野圭吾さんと言えば
ガリレオシリーズでも有名で
いつもハラハラドキドキするミステリーの展開が面白く
一気に読み切ってしまう本ばかりなのですが

今回は

なんと

ほんわか物語。

もちろん
優しい流れの中に
いくつもの仕掛けがあり
まるで推理小説を読み説くかのような部分も。

物語に出てくるのは
1980年頃まで営業されていた
ナミヤ雑貨店。
そしてそこの店主の雄治。

ある時から始まった
ナミヤ雑貨店のお悩み相談。
テストで100点をとるにはどうしたらいいか、などなど
子供たちから寄せられるイタズラ半分の悩み相談に
丁寧に返事を書いていた雄治のところに
いつしか真剣な悩みが届くようになります。

人生を大きく左右してしまうような
そして簡単には誰かに相談できないような
ちょっと重い選択の悩みなど。

そして雄治の死後
ナミヤ雑貨店に世にも不思議な現象が起こります。

32年の時を越えて
届いてしまう手紙。

未来から過去へのアドバイス。

もしも未来の世の中の動きを知っていれば
人生を大きく変えることはできるのだろうか。

ちょっと似たようなことで、
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』にも
そんな感じのことが出てきたなあと思い出しました。
競馬の結果を記した年鑑を手に入れたビフが
人生大逆転、大儲けしてしまうという。

雄治が返信したアドバイスも
そしてひょんなことから過去への返事を書くことになった
泥棒の少年3人組が書いたアドバイスも、

それぞれ受け取った相手が期待するような答えではなかったことも多く、
相談者は悩みます。腹を立てたりもします。
けれどそのうち
やっぱり決めるのは自分なんだと気付き、
そして改めて32年後に、自分が決めたけれどナミヤさんのアドバイスがあったからだと
感謝している。

誰かに相談したお陰で
自分自身が、自分のことをもう一度冷静に見直すことが出来た
っていうの、ありますよね。

どっちにしたって
後悔はすることもある。
だからやっぱり自分で納得した方に進むしかない。
みんなそれは分かっているけれど
不安だし、誰かに背中を押してもらいたくて
口にだして相談してみたりもする。

ナミヤ雑貨店現役だった時の相談相手、雄治も、
廃屋になった雑貨屋に潜伏した間にうっかり手紙を受け取る事になった相談相手の少年たちも、

どちらも、返事や感謝を期待して
手紙を書いていたわけではないんです。

でも、時空のマジックにより
アドバイスした本人のもとへ
ちゃんと感謝の返事が届いている。

思いがけないところから届いたからこその
それら感謝の言葉にはずっしりとした重みが加わっているような気がしました。


相変わらず
東野圭吾さんの作品は
一気読みしちゃうよなあ。
一旦開いたら、眠れないさ~。

コメント

今回も、いい作品に出会ってよかったですね。クローバー

私も、中路啓太さんの『獅子は死せず』、という
面白い小説を読み終えたところです。芽

まるみる 2012年11月21日

こんにちわm(_ _)m


東野さんの作品もなかなか興味深い物がありますほっとした顔


一気読みしてしまう気持ち分かる気がします(笑)

隼人 2012年11月21日

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