アラブ=テロ、怖い
学生時代、自分の中のそんな既成概念に疑問を抱いて
初めてアラブの国を訪れてから
そのイメージは覆され、その奥深さと面白さに魅了されています
怖いのはごく一部の過激派の言動で
それは日本でも同じこと
日本に伝わってくるのは、テロや戦争、オイルマネーの事ばかり
現代アートは、そんな遠い異国を身近に感じさせてくれるはず
たくさんの人がアラブをもっと身近に感じてくれたら良いなぁ
さて
私が見たかった作品はこちら
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています
イラク出身のマハ・ムスタファさんの作品
Black Fauntain
勢い良く飛沫をあげて噴き出す黒い水
上空を折り返すと、トランポリンのような弾力のある布にはじき返され
真っ白な空間を黒く染めていき
静かな空間に、水の音だけが響きます
とめどなく飛び散る黒い水は
イラク戦争の際に、クウェートの油田が燃え続けたことにより
降り続けた真っ黒な雨を表現しています
実際の黒い雨は、鼻をつく酷い悪臭を伴っていたと聞きます
日本でも原爆投下後の広島、長崎で放射能を含む黒い雨が降ったとか
黒い水が噴き出し続けるライブ感が、想像力をかき立てる
素晴らしい作品です
素敵な作品が数多くあったのですが
個人的にお気に入りの作品をいくつか
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています
オマーンのハサン・ミールさんの作品
「結婚の思い出」シリーズ
オマーンでは、古いアラブの習慣に則って、
家族によって結婚相手が決められ、
式当日に初めて顔を合わせるという習慣が残されています。
古代の話しのようで、これも現代のアラブ文化の姿。
男性は布で顔を隠し、女性はちょっと変わった(遠目で見ると、口髭をたくわえたアラブの男性に見えなくもない)お面をつけています。
このお面のインパクトに、惹きつけられてしまいました。
実際オマーン人に結婚について聞いたとき、
オマーンはとても保守的で、家族が結婚相手を決め
従兄妹同士の結婚も非常に多く、
それ故こどもに障害などが出るケースがあり、
それが問題になっていると教えてくれました。
もちろん幼馴染同士の結婚などもあり、
必ずしも近親婚ではないようですが。
そしてオマーンと言えば!
ハリウッドスターが霞むような美男美女が街中に!!
いろんなものを埋蔵しているポテンシャルの高い国でした
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています
レバノン生まれUAE在住の
ジャアファル・ハーリディさんの作品
「スペシャルレポート」
思わず笑っちゃう作品です。
アラブの男たちが集まり、何やら難しい顔して会議している…
ようで彼らの頭の中は、女性のことでいっぱい(笑)
万国共通?
そして私の中で一番のお気に入りがこれ
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています
ロンドン生まれベイルート在住の
ゼーナ・エル・ハリールさんの作品
「ザナドゥ、あなたのネオンは輝くだろう」
「軽めのファンダンゴを踊ったら」
「平和が惑星を導き、愛が星の舵をとる」
このピンキーでメルヘンで可愛らしい作品!!!
一瞬にして目が奪われてしまいました。
2006年のイスラエルによるレバノン侵攻時に、
イスラエル軍機から投下された風刺ビラをもとに制作された
風刺返し!!そんなセンスが素敵です
笛を吹くのシリアのアサド大統領、イスラム抵抗運動ハマースの主導者マシュアル、イランのアフマディネジャド大統領に、イスラム教シーア派組織ヒズブッラーの指導者ナスルッラーが踊らされている一枚目
そして、マジックマッシュルームを食べた4人の頭から、
青い光のエネルギーが放たれています
戦争を彷彿させるピストルもピンクに染まると可愛くもあり
やがて三枚目では、4人はナスルッラーを先頭に、
協力してガザ地区の人々を救助する為に船の舵を取ります
スパンコールや羽やお花やビーズなどを多用して
一見とても可愛らしく、明るくポップな作品
戦争という思い題材をこんな風に表現することで
やわらかく、とっつきやすい作品にしてしまうなんて
イスラムではご法度であろう、マッチョなビキニのお兄さんがいたり
ディテールまで凝っていて、とっても素敵な作品!!!
私の部屋に飾りたい!!!!
ということで、彼女の作品が私のベストでしたd(^_^o)
他にもたくさん、アラブの今を切り取ったアートや
誤解されがちなアラブを表現している作品
戦争や国境、権力題材にした考えさせられる作品がたくさん!
アラブが身近に感じられるはず
今月28日までやってます
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