短編文章4 サナギ

蛹が自分の殻を破り捨てようとしていた。
新しく進化するため、より輝きに満ちた未来を見るため
羽根を広げる瞬間を私は固唾をのんで見守っていた。

それはステージの上でスポットライトを浴びながら
それぞれが生まれ持った特有の羽根を今ここで広げ、
思い思いに舞って魅せた羽化だった。
高らかにうたって微笑みながら、未だ幼い体と声を弾ませ無邪気に踊ってみせた。
天性ともいえる無垢な心は、これから開花するであろう想像を超える美の種と永遠を感じさせるエネルギーを宿しており
そして今まさに躍動感に満ちている。
さらにはあらゆるものを吸収する柔軟さを兼ね備えている。大人になってしまうと純粋という言葉を眩しくさえ思えるものなのだ。

やがてうつくしい蝶になるために、あらゆる困難を乗り越え
希望に満ちたよどみのない澄んだ瞳と愛らしい笑顔でひかりを世に与え
しなやかな羽根をまといのびやかに舞うことで蝶になる準備をしていくのだろう。

可能性というものは、生まれた瞬間から誰にでも平等にあり、
夢や希望を持つ誰もがこうして挑戦し続け
蛹から自分を育て進化していかなければならないのだ

やりたいことや目的があるならば、
叶えようと努力することで道は拓ける。
それは、大人も子供も同じである。

自分にしかない羽根を広げてみたい。
自分にしかない命を開花させたい。


そんな思いが沸々と沸き起こるのを感じた。
たとえ天性の才能がなくとも、
努力によってそれを修得することは出来るはずだ。

夢や希望を実現するために生きるのは、
愛に生きることと等しく 素晴らしいことなのだ。

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