文字からクリスマス『クリスマスにさようなら』

12月に入って
本屋さんや図書館ではクリスマスを題材にした本が目立つ場所に並べられるようになりました。
小さい頃から本をたくさん読んでいましたが
クリスマスの物語やサンタさんが出てくる絵本などは、
今でも印象に残っています。
真夏に読み返すくらいお気に入りの本もありました。

先日、偶然見つけたクリスマスの本は
クマのぬいぐるみが主人公の物語。

『クリスマスにさようなら』(徳間書店)
浅暮三文さんの小説です。

クリスマスの朝、ゴミとして捨てられたクマのぬいぐるみたち。
焼却場へ向かう車に乗せられた4匹は、
それぞれ元の主人にとても愛され、可愛がられていた時代がありました。
焼却場に着くまでの間、1匹ずつ順番に、元主人との思い出を語っていきます。

大泥棒が主人だったシフォン、
双子とともに大冒険をしたキング
フィドル弾きを見つめてきたクリストフ、

カフェで働くリンダと共にいたぬいぐるみのブレックの話は
自分が大切にしてきたぬいぐるみを思い出させるものでした。

ブレックはリンダが辛い時、悩んだ時、いつもそばにいました。
リンダに話しかけられて、悩みを打ち明けられ、
ブレックは何かを答えたわけではないのに、リンダは癒されていきます。

リンダはブレックを見つめる時間に、自分と向き合い、
知らず知らずのうちに、自ら前に進む力をブレックからもらっていたのです。

ぬいぐるみなんて、なんの解決にもならず、ばかばかしい
という気持ちが、子供の頃の感情とは大きく違うところ。

リンダも私も、頭の半分ではそう思う瞬間もあるのかもしれませんが、
それでもブレックを、ぬいぐるみを大切にしていたのは、
誰かに何かを相談したいのでもなく、
誰かにどうしろと決めて欲しいのでもなく、
自分で悩まなければならないことだと
本当は分かっているからかもしれません。

それでも口に出さずにはいられない。
誰でもない誰かに。

最後に決めるのは自分自身。
弱気になった時も、いつも心に寄り添って励ましてくれる
もう一人の自分のような存在があれば
自分と向き合えるような気がするんです。

自分のことは自分が一番よくわかっていて、
時には向き合いたくないようなこともあるかもしれません。
でも、見つめなければ前には進めない。
ブレックはそのお手伝いをしてくれる存在でした。

この物語はクリスマスの朝に起きた
心温まるお話。

温かいお茶でも飲みながら
優しい気持ちに包まれたい時に読みたい本です。


http://beamie.jp/?m=pc&a=page_fh_album&target_c_album_id=472






コメント

どーも(゚▽゚)/
予知夢を見るシャアです!
俺は通勤中の地下鉄が読書時間です
本を読んでいるとワクワク、ドキドキで楽しいですよ~

シャア大佐 2010年12月02日

久しぶりです。クリスマスってやはり特別なシーズンですね。僕は毎年クリスマスのオリジナルCDをもう20年以上作って友人に配っています。僕のオリジナル曲が必ず入っているんですけどね。大学生時代に作った曲です。いつか聴いて欲しいですね。

くっしー 2010年12月02日

不適切なコメントを通報する

最新ブログ

感謝の気持ち
目に見える変化と見えない変化
紙コップを考える
プラスチックフリーを意識した暮らし