雨の日の夜の音

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雨の日ってやっぱり

出歩くと濡れて冷たいし、

汚れちゃったりもするし、

傘で荷物も増えるし、

見上げてもどんよりした色の空で
なんとなく気分も盛り上がらないし、

と、

意味もなくネガティブになってしまいそうですが

雨の日にしか楽しめないこともあるんですよ。



私は

雨の降る音が好きです。

夜、お部屋の中で
いろんなものを出来る限りオフにして
耳を澄ますと

雨の音が聞こえてきます。


窓に当たる音とか

遠くの方で何かに雨粒が当たった時の音とか


走り去る車の音も
雨の日は
シャーッ
という独特の音になりますね。


あまりにも大雨だと
また違った音になってきますが、
しとしと降る雨の日の音を聞いていると

いつも気が付かなかったことが
見えてくるような気がします。

雨の音に混じって
時計のチクタクという音がしたり、

ウィルの寝息が聞こえてきたり、

雨の音を聞いていると

心の中にあるものが
だんだん
雨と一緒に流されて行って

なにもない
まっさらな状態に戻って行くような気がします。

毎日、
何かを無理やり考えなくちゃとか、
あれもやらなくちゃ、これもやらなくちゃとか、
そういうこまごまとしたものの積み重なりに堪え切れなくなって、
いつも何かを忘れているような気がしてしまったり、
不安になったり、もやもやしたり。

バタバタしているうちに
余計な何かが少しずつ
心の中に積もっているような
そんな些細だけれど、侮れないこと。

そういう説明がはっきりは出来ないようなもやもやの何かを

雨の日に耳を澄ませて

余分なところを削ぎ落としていく感じ。

川や滝など
もともと水の流れる音なども大好きなので
雨の音も好きなのかもしれません。

静かに
雨の日の夜が
過ぎて行きます。