コーラル・ネットワークさんは、サンゴの状態を調査するリーフチェックなどを行っている団体さんで、
私は伊豆の田子で開催されたリーフチェックに参加させていただいたことがあります。
その後も東京にてコーラル・ネットワークさんが主催するサンゴカフェや勉強会に参加させていただいていて、今回がその勉強会。
毎回テーマが異なります。
今日は、有限会社海遊さんの吉田稔さんをお招きして、八重山のサンゴの状態についてお話していただく会でした。
石垣島を中心に、小浜島や黒島、竹富島のあたりがどうなっているのかお話いただいたのですが、
その中には今日初めて知ったこともありました。
一番驚いたのは
現在、石垣島やその周辺の島で、オニヒトデが大量発生しているという報告です。
発表では列をなしてサンゴを食べるたくさんのオニヒトデの写真などもあったのですが、
なんとこのまま食べられ続けたら、今年の4月に綺麗だったサンゴが来年の4月には全て食べられて死んでしまう計算のエリアがかなり広がっているのだとか。
この事実はかなり大きな出来事なのですが、
ニュースなどにはなっていないので、身近に住む人たちでも知らない人がほとんどというのが現状なのだそうです。
オニヒトデも生態系のバランスを保つ大切な生命体のひとつだと思いますが、大量発生となると、対策をたてなければ間に合わない状態。
今年、あたり一面にあったものが、来年にはない
という急ピッチさに、本当に驚きました。
生物多様性に関する本を読んでいた時、
絶滅する種が出ることはこれまでの地球の歴史の中でもあったことで、ある意味自然の流れのひとつではあるのだけれど、今問題なのは、その絶滅するスピードだ
という記述がありました。
まさに今回のオニヒトデの大量発生の件と同じことですね。
ちなみに、オニヒトデの「大量発生」には定義があるそうです。
スポットチェック法と言われるシュノーケリングでの調査で、15分間見渡せる範囲に10のオニヒトデの個体がいたら、それは既に「大量発生」。
想像したら、ちょっと怖い状況です。
私は見渡せる範囲にオニヒトデを2つまでしか見たことがありません。
それでも大きくてイボトゲトゲなオニヒトデはかなり存在感がありましたから、10こ以上となると…。
こわわわわ。
オニヒトデの駆除は生態をよく把握し、駆除エリアを決めて徹底的に駆除しなければいけないそうです。
取り残しのオニヒトデがいると、大量のエサがオニヒトデに充分に与えられる状況になり、更に増えてしまうからなのだそうです。
難しい問題です。
オニヒトデについては世界的に600もの論文が出ていて、一つの生命についてこれだけたくさんの研究がされているのは珍しいことだとか。
にもかかわらず、オニヒトデはまだまだ謎の多い生き物なのだそうです。
コメント
いいね・コメント投稿・クリップはログインが必要です。
ログインする
不適切なコメントを通報する