ピアノのテキスト。

最近、実は母が
ピアノをぽろぽろと弾くようになりまして
私が小さい頃に使っていたテキストを使って
練習しているのです。
黄色いテキスト
懐かしいなあ。
音符1つ1つがすごく大きくて
絵本の題名みたいな名前が
短い曲に付いているんです。
時々、
その曲のタイトルやイメージから連想されるような
刺し絵が描いてあることがあって、
私が習っていたピアノの先生は
この絵に色を塗って来ることも
宿題になさっていました。
色を塗ると
そこにハナマルをもらえるんです。

男性の先生でしたが
すごく優しくて穏やかな先生でした。
私は
成長して
音楽大学にピアノで入るようになりましたが
この最初の男性の先生に習っていた時は
もう本当にとにかくとにかく練習しない子だったんです。
楽譜もあまり読めなくて、
先生が一度お手本で弾いて下さったのを
耳で聴いて目で見て覚えちゃう。
その繰り返しだから
いつまで経っても楽譜が読めるようにならない。
そんな子でした。
そんな私が
まじめに練習するようになったのは
中学校に入ってから。
小学校を卒業と同時に
秋田県から青森県へと引っ越しをして、
それまで熱心に続けていたクラシックバレエは、
引っ越した先には教室がないので諦めるしかなく、
ピアノを頑張ることにしようと決めたのがこの時。
中学1年生から、入りたい大学をお茶の水女子大学の音楽科と目標を決めて、
その入学試験のために必要なことを勉強し始めて、
そこからようやく
毎日練習するようになったわけです。
勉強と練習。
入学試験のために必要な科目は
ピアノ以外に、声楽もあり、
聴音という4和音の連続の書きとりもあり、
新曲視唱という、初めてみた曲をすぐ歌うというものもあり、
学科も5教科もれこぼしなく出来なければならず、
やることは本当に山のようにありました。
24時間では足りないと毎日思っていた中学と高校の6年間。
今となっては
苦しかった時代ばかりが思い出されますが、
そんな私が
ピアノを弾くために
一番最初に出会ったテキストを
今、見て、
なんだか胸が
くっ
となりました。
時々ふと
悩むことがあります。
私はピアノが好きだったんだろうか、と。
口下手で
器用に感情を表現できない子だったから、
ピアノを通してなら
自分が本当に思っていることを
否定される恐怖を取り払った状態で
勇気を持って作品として発信していけたのかもしれません。
いろいろな素敵な曲が
ピアノ曲にもたくさんありますが
印象的なのは
大学の卒業演奏会で弾いた
セルゲイ・ラフマニノフ作曲
ピアノ・ソナタ第2番
自分の気持ちの表現にぴったりと合った
とてもしっくり来る
しかも素晴らしい曲でした。
いろいろ
懐かしいな。
ピアノ。
昔は
とんがってたところも
あったよな。
昔を思い出させてくれるものがあることはいいですね。。。
家が狭いこともあり、殆ど昔を思い出させてくれるものは、
残念ながら写真位しか残っていませんが、たまに、ふと
昔からある伝統的なお菓子や、絵本、童謡などから、昔を
思い出すことがあります。
いいこともあり、そうでないこともあり、です。(笑)