寺山修司『くるみ割り人形』

先日、クリスマスツリーに
かわいいくるみ割り人形が飾られていたのを見て

クリスマスといえば、くるみ割り人形だなあ
と思ってブログを書いていました。

バレエの作品『くるみ割り人形』
そしてチャイコフスキーのバレエ音楽。

第一幕のマーチや
「花のワルツ」や
お菓子の国での「葦笛の踊り」
「こんぺいとうの精の踊り」などなど
テレビでも時々流れている音楽で有名な作品がたくさんありますよね。

図書館に行ったら

なんと

寺山修司さんの『くるみ割り人形』を見つけました。

『寺山修司メルヘン全集10』(マガジンハウス)

バレエの作品で知っていた私は
この寺山修司さんのくるみ割り人形を読んでみて
全然違っているので驚きました。

登場人物の名前などは同じような人が何人かいるのですが
役割も違うし設定も違うし。
くるみ割り人形が出てくる別バージョンの話っていう感じです。

まずはドロッセルマイヤーさん。
主人公クララにくるみ割り人形をプレゼントしてくれるおじさんなのですが
この寺山版ではくるみ割り人形は物語がかなり進んでからでなければ登場しません。

しかもドロッセルマイヤーさんは
一人何役も幻影のように登場するんです。
怖い砂男だったり、顔が急にドロッセルマイヤーさんになる登場人物がいたり。
つまり夢の中で、さっきまで違う人の顔だったのが、
急にドロッセルマイヤーさんになってしまった、そんな感じの登場の仕方もあります。

ネズミも、バレエでは、
ネズミの王様となっていて
性別としては男性だったのですが、
この寺山版ではマウゼリンクス夫人なので女性。

ほかにも違うところだらけなので
かなり新鮮で面白かったです。

しかもこの作品は映像化することを想定して書かれたようで
ところどころにカメラの指示も書きこまれているんです。

奥付のとなりをみていたら
実際にこの作品が映像化されることはなかったようです。

残念、あるなら観てみたかったなあ。


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