『もう、家に帰ろう』
という写真集をプレゼントしていただいたことがありました。
「とっても素敵な写真集で自分も大好きだから友達にプレゼントする」とのことで。
当時私は20代前半だったと思います。
美しい写真集だし、
素直な感じが素敵だなあとは思ったのですが、
正直、当時はあまり良さが私にはわからなくて。
この良さが分かるようになるんだろうか、とか思っていたんです。
それがふと
最近になって
この写真集のことを思い出しました。
それで
その中にあった写真、言葉、
ひらひらと記憶の奥から舞い降りてきて
「ああ、そういうことだったんだね、
そういう優しい気持ちで、私にこの写真集をプレゼントしてくれたんだ」
と、突然思ったんです。
なんでもない日常を
優しく撮り続けた写真集。
普通の日々。
頑張りすぎない、ゆったりした
自分の家という落ち着く場所でのみ流れる空気。
特別なイベントがなくたって
素敵な毎日がある。
どこにも旅行に行かなくたって
お家がとってもいいところ。
ときどきお出かけ、
ときどきいつもと違うこと。
でもやっぱり
お家がいいよね。
そう思える時間こそが
ありがたく、幸せであり、
それが
満たされる
ということなのかもしれない。
この間
ウィルと海を見に行って、
何度も見て、何度も潜った
この地球の海というフィールドだけれど
大切な子を抱きしめながら見る海というのは
全然違うんだな
と思ったんです。
別に特別珍しい景色が広がっていたわけじゃないんです。
でも一人で見る海とは
明らかに何かが違っていた。
ウィルも
時々ワガママ言い始めたり、わざと悪い子になってみたり、
手をかけさせるようなことをわざわざして
注目されたがることもあるのですが、
「いま、忙しいから、あとで」
なんて言ってしまう自分。
犬だから、心の中ではいじけつつも聞き分けよくしているウィル。
でもこうして
幸せを感じることが出来る時間が
この後、どれくらいあるのだろう
と考えると、
多少無理してでも時間を作ればよかったんだと思うこともあったりして。
後ででもいいや
と思うことでも
実は今じゃなければならないことって
たくさんあるのかもしれません。
そういうことは大抵
後になってから気が付いて
深いため息が出るのだろうけれど。
ウィルは犬なのに
お出かけよりも家にいる方が大好きな子です。
一緒に、帰ろう。
大好きなお家に、帰ろうね。
いい話しですね。
愛犬と仲良くしてくださいね。