ずっとずっと手軽で
日々の生活に近いところにあるようになったもの
写真
昔は、インスタントカメラで写真を撮っても
写真屋さんに現像に出さなければ
どんな仕上がりだったか確認できませんでしたが
今やデジタルカメラの時代。
すぐにモニターで確認もできるし
携帯電話での撮影もコンパクトデジカメに負けないくらい
綺麗な仕上がりになるものも多いです。
実は私
このお仕事をするまで
写真が苦手でした。
苦手、というか
自分の生活の中に
あまり組み込まれていないものだったんですね。
たとえばお友達は
珍しいものを見付けたらパシャッ
久しぶりに会った友達とパシャッ
美味しそうなケーキを注文してはパシャッ
とにかく撮りまくる子が多かったのですが
私は正反対。
ブログを始めるまでは
私の携帯電話の中の写真フォルダーの中は
がらんがらんでした。
そんな私が
最近、写真について考える1つのきっかけになった本がありました。
『見上げてごらん夜の星を』(リンダパブリッシャーズ・泰文堂)
竹之内響介さんの短編小説集です。
東京オリンピックの前の年に
東京の墨田で起きた家族の物語。
9つの短編集なのですが
「おばけ写真館」と呼ばれる写真館の店主が撮ってきた人々の
心温まるショートストーリーです。
「店主だけが知っている、対になったもう一枚の写真をいつか見た時、人はそこに写っているかつての自分に何かを問いたくなるはずだ。そして、初めて気づく。あの日、自分が見つめていたのはカメラのレンズではなく、いつかどこかの未来で自分を待っている、自分自身だったのだということを。」
この本のプロローグで語られている言葉です。
そしてエピローグでは
それぞれの人たちに、当時の、撮られた意識のない
ワンショットが届きます。
それを見た時、その人たちが心に抱いた、それぞれの想い。
家族や友達、恩師、近所のおばちゃん、
みんなそれぞれに相手のことを思っていたという優しさ。
その優しさに気が付くのは、ずっと後のことになってからかもしれないけれど。
写真は、
そういう、
「あの時の優しい気持ち」を、今に届けてくれるものなのかもしれないなと
思ったんです。
写真を見て、
ああ、この写真を撮った時に、こんなことを思っていたんだよな
とか
この写真をとる前後に、こんな話をしていたな
とか。
1枚の写真から
小さな幸せのかけらを集めることが出来る。
大きな幸せも大切だけれど
その小さな、ふとしたら忘れてしまうかもしれないような幸せもまた
すごく重要で大切で、かけがいのないものだったりするかもしれません。
私はいま
そういう沢山の優しさに
辛く乗り越えたことに、
普通のありがたさに、
強く支えられて進んでいると思います。
感謝。
確かに写真は、カメラ屋に行って現像してたのに、今では簡単に出来るから便利になりましたよね。
またまたいい本を見つけましたね。
写真は、記念になるし懐かしんだり出来るから、不思議な物ですね。