と聞いて
「拙者親方と申すは…」
「そりゃそりゃ、そらそりゃ」
を思い浮かべたそこのあなた。
お疲れ様です~練習熱心とみましたよー。
いやいや
「ういろう」といえば
ぷるるんとした
半透明の…
と思い浮かべた方。
あのお餅ですね。
私も昔は「ういろう」と言えば
あのぷにゅぷにゅした絶品お餅を思い浮かべておりました。
美味しいんですよね。
大好きです、ういろうのお菓子。
で…
今日私が手にしているのは
お菓子ではない方の「ういろう」
お薬の方ですね。
この、お薬の方の「ういろう」が
先に書いた
「拙者親方と申すは…」の話に繋がります。
歌舞伎十八番の一つから、
外郎売として独立した演目にもなっているもので、
その外郎売の口上が有名なんですね。
演技やナレーションなどのレッスンでもこの外郎売の口上部分を使うことがあります。
実際に、「ういろう」にはお菓子とお薬の2種類が
現在も存在することは知っていたのですが
こうして現物を見るのは初めて。
なんともいえない
いかにも、昔からある薬なのです、という包み紙です。
そして
写真を見て「あっ…」と思った方もいらっしゃるでしょうか。
この外郎売の台詞の最初の部分は
外郎売に扮した曽我五郎が、外郎売として挨拶をするような
ところから始まっているのですが、
その冒頭の一部に
「拙者親方と申すは、~(中略)~、欄干橋虎屋藤衛門只今は剃髪到して、円斎と名乗りまする。」
とあるのです。
この現代のパッケージをみると
「外郎藤右衛門」とあります。
「欄干橋虎屋藤衛門」
「外郎藤右衛門」
・・・
「藤衛門」
「藤右衛門」
・・・
なんか似てません?
確固たる証拠もないので、
勝手に私が一人で「あっ…」と思っただけなのですけれど。
この薬、
小田原生まれの方が持ち歩いていて
偶然見せていただいたんです。
小さい頃から家に常備薬としてあったとかで。
何に効く薬かと質問してみたところ
「何にでも効くんだよ。
なんかあったらすぐういろう」
なのだとかで…
このあたりも外郎売の台詞にある
「魚鳥・茸・麺類の喰合せ、その外、万病速効ある事神の如し~(後略)」
この通りなんですね。
「万病速効ある事神の如し」
と全く同じように
「何かあったらすぐういろう」
っていう答えが即答だったのが
なんだか面白かったなあ。
ずっとそうやって伝わってきたものなんですね。
本物を目の当たりにした日でありました。
最後に
このういろうが目にはいらぬか~
的な写真で…
にょほほほ~ん
外郎売り、懐かしいですね。
良く練習しましたっけ。
練習していた当時は、どれだけ速く言えるか競争したりもしました。
( ̄▽ ̄)