時をこえてストーリーが展開するもの。
そんなことがあるんだろうか
と思いつつも、
この世には分からないことの方が多く、
むしろ分からないことだらけなのだから、
そんなことが、自分の知らない所で起こっていても不思議ではなく、
自分の物差しでしか考えられないから、あり得ないなんて言葉が出てしまうのかもしれない、
なんて思ったりもする今日この頃の私。
一気に読み切った2冊の本は
この「時をこえる」ことがキーワードとなる小説でした。
『THE WINDS OF GOD-零のかなたへ―』(角川書店)
今井雅之さんの舞台作品を書籍化したもの。
そしてもう1冊
『ライオンハート』(新潮社)
恩田陸さんの小説。
『THE WINDS OD GOD』は現代に生き、
お笑い名人大賞を目指すお笑いコンビの田代誠と袋金太が
交通事故にあったことから
タイムスリップして第二次世界大戦中の終戦直前の日本、昭和20年に行ってしまうというもの。
しかも戦争当時に生きていた二人の特攻隊の人の中に
心は現代のままで入り込んでしまうので、
行った先の時代では周囲も本人たちも大混乱。
時をこえてしまった事実をなかなか受け入れられない二人と、
中身がすり変わってしまったことを認められない周囲。
歴史の授業も得意な方ではなかった田代と金太は、
平和ってなんだろう、戦争の渦中にいた人たちの気持ち、
教科書の中にあるもの、授業だけでは知ることのできなかった何かに
じわじわと触れて、変わって行きます。
ラストシーンでは
あの時のあの人が…
という衝撃が押し寄せますが、ネタばれになるので書かないでおきますね。
出会うも出会わないも、ほんのわずかな差であり、
ほんの1歩違っただけで出会えたり、全く知らないまま人生を終えたりするんだな、なんて。
今のこの瞬間、出会えている人たち、
この輝かしい偶然に導かれた出会いに、感謝をして、
進んで行きたいな
なんてことを考えたりしました。
人は変わるし、成長するけれど、
それを小説のラストシーンを読むように一瞬にして「ああ、そうだったのか」と思うことは、なかなか難しいかもしれません。
けれど確実に人は進み、変わり、そして過去を振り返り、
その時、その心を噛みしめて、また進んで行く。
時をこえる物語が、
人気ジャンルとして続いているのは
今を大事に、というメッセージが込められ、
読み終わった後、結果的に今を見つめることに繋がるからなのかもしれませんね。
恩田さんの小説の話は次回へつづく…
三行目から読んでないわwwwSFですか藤子藤雄ミュージアムできましたね いつ一緒に行こうかwww妄想ではデートはしたつもりだがwww