『女子中学生の小さな大発見』(新潮社)
読みました、一気読み。
これは静岡県にある静岡雙葉学園の理科の先生である
清邦彦先生が編著者の本です。
1972年から雙葉学園で理科の先生を務める清先生は、
毎週発行していた「理科だより」(通称・リカちゃん新聞)を元に
この本を出版しました。
先生が担当された中学校1年生の女の子たちの
理科の世界にたいする素朴な疑問、実感したことが
素直な言葉で綴られています。
笑える所もあり、すごく納得させられる所もあり、
カラフルでストレートな女の子たちの言葉。
あー、私もそういうの、疑問に思ったことあるある!
ということもたくさん出てきます。
「Mさんは、地球が自転しているなら、旅行したい時は上空に浮かんでいて行きたい場所が下に来るまで待っていればいいんじゃないか、ということに気がつきました。」
思った私も!
もし空に浮かぶことができて、同じ場所にとどまっているつもりになっていたら、
いつの間にか下にある場所は随分変わってしまうのかなあって。
風が吹いてて流されるとか、全く考えずにね。
「Sさんの研究によると、扇風機の前で「アー」と声を出すと「アウアウアウアー」となるのは、扇風機からの距離が35cm以内までだそうです。」
し、しまった…この間、やってたじゃないのよ、私。
おんなじこと。
でもどのくらい離れたら、っていうの、調査してないよ、私。
うー、参りました、完敗。
まえがきで清先生は
「予想どおりにならなかったのは、失敗ではなく成功です。何も変わらなかったのは、「変わらない」ことを発見したのです。(中略)考え方がおかしいと言われても、「自分はそう考えた」というのは正しい事実です。」
と書かれています。
自分で不思議だなと思って、確かめて見る。
その時に自分が向き合った結果こそが大切なのですね。
あとがきの清水義範さんは
「その体験こそが理科体験というものなのだ。習ったから暗記して試験でいい点を取ったというよりはるかに理科と深くつきあっていることになるのである。」
と言っています。
「理科体験」ってなんかいい言葉ですね。
ダイビングもある意味「理科体験」なんだなあとも思います。
理科や社会の先生が
海や山などに関する自然学習を指導して「理科体験」をする
なんて時代も来るかもしれませんね。
素朴な疑問の本ですね。
こういう事から、いろいろな発見が見つかるんでしょうね。
いい本を見つけましたね。