『八月の六日間』北村薫さん

もう9月になっちゃったけどね

『八月の六日間』

北村薫さんの小説を読み終えました。


主人公の女性は物語が始まった頃は
雑誌の副編集長

物語中盤からは編集長に。

彼女はたまに、だれとつるむことなく、
山に登りに行く。
忙しい仕事の合間に時間を作って
計画を立て
ひとり、山に向かう。

着替え、好きなおやつをあれこれとリュックに小分けに詰め込み
最後に本を3冊入れる。


正直、山歩きなんてほとんど経験がない私に
山歩き小説が果たして楽しめるのか、という不安があったものの、
タイトルの「八月の・・・」
というので、本屋さんでみかけた瞬間に、

今読まなかったら、この本との再会はまた来年になってしまうかも・・・

と思い、えいっと八月末頃に手にした本でした。


結果


全てオーライ

なぜなら この本
章ごとに1トリップの書き方になっていて、

九月の五日間
二月の三日間
十月の五日間
五月の三日間
八月の六日間

という章のタイトル構成


四季折々、いろんな山の時期の話なのです。
春あり、雪山あり、夏あり。

そして最初の章は九月だったし、
そのあと十月も出てくる。

なんかすっかり
ハイキングに行きたくなりました。
近場の、山とも言えないレベルかもだけれど、
鎌倉とか、ハイキングコース、いっぱいあるし。1時間とかで全行程を行けるくらいのとこで。
本持って。途中休憩しながら
コーヒーと本。
丸一日外で過ごす秋。
そんな休日をやってみたくなりました。



この『八月の六日間』は
たしかに本の帯にもあるように
山小説
なんだけれど

厳しい自然に立ち向かうことがどうのとか、
山の美しさがどうのとかいうよりも、
もっと根幹の部分に囁きかけてくれる物語な気がします。

誰しもが感じる
日常のしんどいこと。
それとうまく付き合うヒントは
いろいろあるけれど、
この話の中では、
山に向かう、山に一歩一歩登るという中で
日常の雑多なことを、少しずつ身体から降ろしていっているように感じました。

そういう、自分にとって
楽になれる方法とか
無になれる手段を
知っているか、知らないか、その方法を持っているかいないかで、
次の日常を頑張れるかが、決まってくるのかもなあと。


私にとってはなんだろう

早朝や夕方に
海辺で太陽を見ながら
潮風に当たったり


好きな本をたくさん読んだり


丸一日美術館で過ごしたり

映画館に一人で行って2本観ちゃったり


お家を細かいところまで掃除してみたり
草むしりしたり


文字にしてしまうと
なんてことはない、普通のことばかりだけれど
そういう一つ一つが、
無になる方法を持っていたりするんだなあ
と改めて考えさせられもしました。



いい本でした(*^_^*)


ということで

2016年の51冊目
9月の1冊目でした。





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コメント

まりさん♪
山歩きのお話なんですね。読んでみたくなりました。ご紹介ありがとうございます(o^^o)

 いしがみ ゆりえ 2016年09月03日

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