「メディチ家の至宝」@東京都庭園美術館

東京都庭園美術館で開催中の

「メディチ家の至宝 ルネサンスのジュエリーと名画」展

行ってきました。

ジュエリーの展示は
偶然ですが
前回もここ、東京都庭園美術館で見ています。
その時はオットー・クンツリで
本当に素晴らしい、コンセプチュアルジュエリーと出会ったわけですが

今回は16世紀のジュエリー


正直、ピカピカしてるだけで
楽しめるのかしら・・・
コテコテ趣味でも無いからなあ・・・

と、なんとなく、私の中での行きたい展示ランキングの下の方に位置していた今回の展示。

ですが


もっと早く来てもよかった!
楽しめるかしら、なんて疑ってごめんなさい!


いやー
やっぱりさすが庭園美術館

ジュエリーをただ並べるだけではなく
当時の服装がわかる肖像画も多数、同時に展示されていて、
こんなジュエリーを身につける人たち、
こんなジュエリーを愛する人にプレゼントする人たちの様子が
肖像画を通して伝わってきます。

そして、この美術館の素晴らしい建物の内装と、ジュエリーが、ぴったり!
雰囲気がとってもいいんです。

さて
肝心の展示ですが

今回はカメオが多く展示されています。
わたくし、カメオはなんとなく立体的に浮き彫りにされたペンダントヘッドみたいなもの、という認識しかなかったのですが
今回の展示で

カメオ・・・陽刻、浮彫になっているもの

インダリオ・・・陰刻、沈彫になっているもの

という種類の違いを知ったり、

またそのあまりにも細かい彫りの技術に
圧倒されてしまったり、


たくさん勉強になることもありました。


さてさて

今回も
好きだった作品をいくつか
書きます(o^^o)

単純に、
素敵だなあって思ったのは


《エレオノーラ・ディ・トレドの指輪》

これはエレオノーラ・ディ・トレドがコジモ一世から結婚の時に送られ、
彼女の肖像画にも描きこまれている指輪で、
生涯大切に身につけていたものだとか。
指輪のデザイン部分はわずかに22ミリ。
その中に様々な絵柄が彫り込まれ、
「信頼の手」と言われる手と手が繋がれている模様も描かれています。

とても繊細でありながら
指輪全体から、持ち主の愛着が滲み出てくるようで
とっても愛とパワーを感じる不思議な指輪でした。
これはもう、総合的に素敵すぎるのであえて番外ということで。


さて

では

お気に入り作品ベスト3



1・・・《セイレーンがついたペンダント》

セイレーン、人魚ですね。これは広く流行っていたテーマのようで、他にも人気があったモチーフは、竜や猿もあったようです。これはペンダントですが、表面、裏面どちらも細かい細工と色遣いが美しく、首から下げるというよりも、展示のようにどこかに吊るして表裏常にどちらからも見えて楽しめたら素敵だなあと思ったものです。

ちなみにこれは、今回の展覧会のポスターにも掲載されている作品でした。



2・・・《軍隊の人物がついたブローチ》

これは4つのブローチを並べた展示で、それぞれ違う軍隊の人物が表現されています。
色、形、大きさ、すべてのバランスが美しく、これも4つ、展示の状態で並べて鑑賞したいなあと思えた作品。
実際は、ブローチということなので
一つ一つバラバラに、身につけられたのでしょうか。

先ほどのセイレーンのペンダントにも、こちらの軍隊の人物のブローチにも、多色七宝、真珠、ダイヤモンドなどが使われています。セイレーンの方には26個ものルビーも使われていたのですが、この小さく散りばめられた様々な宝石のバランスが、私のツボだったのかもしれません。
メディチ家の人たちに人気があったのは、真珠と何かの宝石を組み合わせる方法だったとか。
真珠だけでも美しいですが、色がついた宝石、圧倒的な輝きのダイヤモンドなどと組み合わせられることによって、独特の美しさになります。


で、さいご

3・・・《赤ん坊を入れたゆりかご》

夫から、アンナ・マリア・ルイーザに送られたもので、大きさは49ミリ×55ミリととても小さいにもかかわらず、ゆりかごを前後に動かして揺らすことができるもの。
子供の誕生を願って送られたものだそうで、ゆりかごの中に真珠で、毛布にくるまれた赤ちゃんが表現されています。

他のジュエリーのようなピカピカな感じはなく、金と真珠のシンプルなものですが、なんだかとても人の温もりを感じる作品でした。
真珠、形を整形しすぎず、できたままのデコボコがわかるものも、とても美しいですね。
今回、他のジュエリーにも、もともとの真珠の形をそのまま活かしてジュエリーにしたものがみられ、いいなあって思いました。




ちなみに今回、肖像画で気になったのは

ペンニーノ

という髪飾り。

アップスタイルにまとめた髪に、
垂直にかんざしをさしたようなもので、
そこについたジュエリーがゆらゆらと揺れる仕様になっていたとか。
《幼いレオノーラ・ゴンザーガの肖像》や、
《マリア・クリスティアーナ・デ・メディチの肖像》にペンニーノを髪にさした様子が描かれています。

ちなみに《トンボ》のジュエリーは
まさにトンボの形のジュエリーで、
大きめなアキアカネくらいあった気がしたのですが
これもペンニーノとして使われていたとかで・・・ トンボが頭の後ろでゆらゆら・・・

「.猫飼ってたら終了やな・・・」


極めて庶民的な発想しか出てきませんでしたが
肖像画に描かれていたペンニーノは銀細工の木の枝のようで、素敵でした。こっちの実物が見てみたいなあ。



とまあ

そんなかんじで


今回もすっかり堪能してきました。


音声ガイドは
TBSテレビアナウンサーの安東弘樹さんが担当されていて
とても聴きやすく、じっくりと鑑賞をしながら音声ガイドも楽しみました。
イタリアの方の、しかも偉い感じの方のお名前って、
長くて、、、カミカミになりそうな発音のお名前が多いんですよね(^^;;
安東さんのナレーションは、そんな数あるイタリア語の難関ももろともせず、粛々と淡々と終始同じ雰囲気が倒されていて
収録とはいえ、すんごい集中力をひしひしと感じました。

しかも今回の音声ガイドは
ペンの形をしていて
いつも見慣れたものよりも
かなり小型。
軽量なので装着していても、首もつかれません。
展示の際には音声ガイドも一緒に楽しむと、さらに堪能できると思います。



「メディチ家の至宝 ルネサンスのジュエリーと名画」は
7月5日の火曜日まで。

東京都庭園美術館は
他の美術館に閉館日なことが多い月曜でも楽しめるレアな存在なので
月曜、せっかく時間ができたのに美術館どこも閉まってる〜
と諦める前に
ぜひチェックしてみてください。


http://www.teien-art-museum.ne.jp/











四季折々で
美しい景色の東京都庭園美術館

この時期は緑が輝いていますね

東京のど真ん中の都会とは思えないほど
静かで、空気もひんやひ
避暑地みたいです














趣きのある建物

中はもっとすごいよ


企画や曜日によっては
中も撮影できる時もあります。

今回の企画展では撮影NGでした









ポスターでみるよりも
当たり前ですが
実物は何倍も美しいです



セイレーンのペンダント
ポスターにのってます
右にちっちゃく

これね







これも
実物は比べものにならない

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