伝統の中の自由

先日、着付け教室の最終回がありました。
この教室は着付けを習い、最後に能楽観劇をするというもの。
歌舞伎は観劇したことはありましたが、能楽は初めて。もちろん国立能楽堂に行くのも初めてです。
今回は観劇だけでなくバックヤードも見学できる企画で、国立能楽堂の方の解説のもと普段は見ることができない所を見せていただきました。

見せていただいたのは稽古用の舞台。
本番の舞台と同じ作りになっています。
能楽堂の舞台は、舞台に橋懸が110度前後の角度で取り付けられていて、舞台が張り出している感じ。
歌舞伎は絵画的、能楽は彫刻的と言われているそうです。
檜で作られており、檜舞台というのはここからきているとのこと。

舞台の後ろに描かれている松。
これは背景というわけではなく、永遠の生命力の象徴として描かれています。
能楽に背景というものはないのだそうです。

舞台に上がるには、必ず足袋着用。
「どん」と足を踏み鳴らす足拍子。
やってみました。おぉ、ちゃんと響く。

舞台の前にある控え室、鏡の間。
ここでシテ(主人公)が面を付けます。
スルスルと幕が開いて、ゆっくり摺り足で橋懸を通り舞台で出て行きます。
実際に通らせていただきました。
写真は着付け教室に参加のみなさん。
色とりどりの着物です。

昔からある演目の他に、現代に作られた新作もあるそうです。
シェイクスピアを題材にしたり、ショパンの霊が出てきたり、アインシュタインが登場する演目など、かなり自由!

パンフレット販売コーナーには、以前上演されたという紅天女のクリアファイルが。
能面を付けたシテの周りにガラスの仮面のマヤと亜弓さん、月影先生が配されたデザイン。
シテは写真、マヤたちはもちろん絵。
自由だ!

伝統やしきたりの塊だと思っていた能ですが、何でもありのおもしろい世界なんですね。

舞台裏を見学したところで、長くなりそうなので観劇編は次の記事にて。

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