やっと
三菱一号館美術館に行ってきました。
夏に行こうとした時は激混みで
入り口を見た瞬間に
あ、むり
と思って諦めたんでしたっけ(^^;;
だって入るまでに1時間以上待ちとかだったんだもぉん。
さて
今回
三菱一号館美術館は
プラド美術館展
スペイン王室のコレクションがどっさりあるプラド美術館
王侯貴族がどんな絵を飾り
楽しんでいたのかが味わえます。
今回の展示は
サイズが小さめなものが多くて混雑していると見づらい、
という噂を聞いていたのですが
勝手な想像での「小さめ」よりも
まあ、大きかった、よね(^^;;
日本人の部屋に飾るものの感覚の「小さめ」とは全く違うからね。
でもその「小さめ」にはちゃんと理由があって
今回は
キャビネット・ペインティング
と呼ばれるジャンルの絵が多く来日していたから。
キャビネット・ペインティング
読んで字のごとくで、キャビネットに飾る絵。
ですが
ここもまた日本人が想像するキャビネットだと思い込んだら、混乱するところで
キャビネットは、あの引き出しが何個もついている収納家具、ではなく、
貴族たちがプライベートな時間を過ごし、ゆったりと語り合う「小部屋」を指し示します。
で、またもや空間認識の違いなわけですが
あの時代の、しかも貴族の「小部屋」ですからね。
ええ、推して知るべし。
というわけでなんとなく
日本人にも部屋に飾るイメージが湧きやすいサイズのキャビネット・ペインティングたち。
キャビネット・ペインティングは
観る人がすごーく近くに寄って観ることを考えられて描かれているので
ものすごく細部まで、丁寧に描かれています。
巨大な作品なら細部にこだわらなくていいのか、と言われれば一概になんとも言えないところではありますが
それぞれの作品にはそれぞれ、鑑賞する時にベストな距離感っていうのがあるのかもなあ、なんてことを
いろんな展示を見て思う今日このごろ。
杉本博司の《海景》シリーズはちょっと遠くからみた方が美しいようにも感じたし、
アンドレアス・グルスキーの作品は
近くでみても細かいところまで精密なのに巨大な作品だから、なんだか感覚が騙されたような、揺り動かされるような、作品の前に立つと自分の作品の間の時空が歪むような軽いめまいを覚えたり。
今回のプラド美術館の展示には
タペストリー、壁画、天井画などの下絵も数多く展示されていましたが
天井画はやっぱり、仰ぎ見ることと、遠い距離感を計算した上で描かれているので、横壁に、下絵サイズで飾られていると、空間認識にぐらりとした歪みを体感したり。
下絵、といえば
完成の絵と下絵が並んで展示されているところもあり、
個人的には下絵の方が好きで
面白いものだなあ、なんて思ったりもしながら。
神は細部に宿るのだよねえ
世の中には
似て非なるものが
たくさんあります。
最近、近現代のものや
日本の伝統的な展示を見ることが多かったので
久々の古典のヨーロッパの雰囲気もまた
いいなあと、じっくり楽しみました。
プラド美術館
いつか行ってみたいなあ。
ついでに
美術館近くは
夕焼けも紅葉も綺麗でした。
私も機会があったら、ぜひ行ってみたいです。。。☆