『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』
喜多川泰さんの小説を読了。
自分の幸せは自分でしか決められないし、
あらゆる出来事は自分の選んだことで構成されていることを
改めて考えさせてくれる本。
誰かが声高に言った、社会や他人によって作られた幸せの形が
自分の本当に求めているものなのか、
ちゃんと考えていかなくては
あっという間に、道を見失ってしまう。
自分の幸せは、自分にしかわからない。
勇気と自信をもって
自分の心に忠実でありたい。
きっと、頑張れる。
でも、それでも頑張れなくなったら
大切な人、支えてくれる家族の顔を思い出そう。
この小説の主人公が出会った交番の警察官さんは
「大好きな人の喜ぶ顔を見るためなら、人間はどんなことだって頑張れるようにできているんだ。」
と言う。
父はいつも、なにかしら私の写真を持ち歩いていた。
入院して手術するときは一緒に撮った写真やプリクラをベッドのそばに飾り、
亡くなった後に見つけた愛用の手帳からは何故か前歯が抜けてなかなか生えて来なかった頃の小さな私の写真が大切に挟み込まれていた。
どの写真の私も、満面の笑顔だった。
大変な時に、疲れた時に、
笑顔の娘の写真をみて
頑張ろう
と、父は思っていたのかもしれない。
大切な家族の、この笑顔が見られるなら何もいらない、
そう思えるから、一番しんどい時も、ぐっと踏ん張って、山を越えて行ける。
いろんなことを
改めて考えさせてくれる一冊だった。
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