蔡國強『帰去来』@横浜美術館

大好きな横浜美術館で観る
今年2回目の展覧会





いってきました。よこはまー







蔡國強さんによる『帰去来』


初めて出会う作家さんで
どんな感じの展示なのか、実際に行ってみるまであまり想像がつかず、楽しめるかなあと不安も少しあったのですが
全くの杞憂でした。

すっごく良かった!


蔡國強さんは火薬と爆破を使ったアーティストさんで、

日本でいうところの仕掛け花火のようなもの、空の空間に火薬を打ち上げることで描く作品があったり、

面になっているものの上に火薬を撒いて
着火、爆破することでできる焦げ目、燃え跡が作品になっていくものがあったり。

実際に横浜美術館のエントランスホールで
火薬を撒いて発火させて作品を描いている様子も、動画でみることができ、分かりやすい展示でした。

とにかく、
ひとつひとつの作品が
感動的なんです。
現代アートでこんなに心の奥がじーんとしたのは初めてかも。

特に展示室5にある作品は
あー、大金持ちで家が豪邸だったら
この作品買って飾りたいって思うなあ
っていうものばかり。
美しい。そして春夏秋冬それぞれをテーマにしていた作品でしたが、どれも季節のエネルギーの流れを共感させてくれます。
春は春らしく、萌え出る動き。
冬は冬らしく、あらゆる生き物が自分の中にエネルギーを蓄え、じっとしている息をひそめる沈黙。


もしかしたら蔡國強さんには
自然の中で生きる全ての生命体が発しているエネルギーが、もわもわと立ち上ったり、勢いをつけて動いたり、時に止まったりしたいる様子が、目に見えているのかも、とふとそんな気にもさせられるような、動きと流れに満たされた作品ばかりです。


蔡國強さんいわく、アートで大切なのは
「時空のトンネル」なのだとか。
アーティストは作品を通して、時間も場所もあらるゆところへ行き来できる、それが「時空のトンネル」

また、自分が手がける手法は火薬を使うので、偶然性によるところも大いにありながらも、
その方法論は極めてアジア的である、とも考えています。
一番最初にキャンバスに火をつけたとき、家族があわてて麻布で消化したのを見て、
いつ消すかが重要ということに気がついたという蔡國強さん。

今回の展示されている作品についても
制作過程の紹介動画の中で、絵を発火させた直後に、何人もの人が一斉に布を押し当てるようにして消化している様子が映し出されています。


また、火薬をつかっていない作品では
今回の作品展のポスターにも大きく取り上げられているのが
《壁撞き》という作品。






これはベルリンの壁と同じ高さに作られたガラス面に向かってレプリカの99体の狼が突進して、ぶつかり、下に落下する、という様子を空間いっぱいをつかって表現した作品。

99という数字は蔡國強さんにとって
連続性、完結を知らずに先頭を進む
などの意味合いがあり、
オオカミは、共同体意識、英雄的精神、勇気
の意味。

ポスターでみていた時は、面白い作品かなー
くらいにしか思っていなかったけれど、
展示室で実際の作品の中を歩くようにして観ていくと、そのエネルギーに圧倒されます。
何かの映像のワンシーンを、スーパースローで観ているような気もしてくる作品。
そしてここでも、あらゆるものの間にあるエネルギーの流れというものを感じ、
その流れに巻き取られそうになる、そんな存在感のある作品でした。



蔡國強さん。

単に火薬を使った、目新しい方法でアートを作っている作家というのではなく、

蔡國強さんの考え方や自然と自分の関係性、ご自身も自然の一部なのだと感じていること、
あらゆる想いが、一つの作品という目に見える形で、わたしたちのすぐ手の届きそうな場所に、再現されていました。


素晴らしかったなあ


展示ももちろんだし

やっぱり横浜美術館の展示は
初心者にも分かりやすく親切なので、すごく楽しめる。
毎回来るたびに、初めて出会う作家、時代、分野でも、帰る頃にはそれらの大ファンになってるんですよね。



そんなわけで

この展示も10月まで開催されているし
常設展もまたじっくり観たいので
また来ちゃうかもー

わたくし、横浜美術館は年間パスを持っているので何度でも通い放題なのです(⌒▽⌒)

るん(o^^o)





コメント

こんにちは

横浜美術館は去年ロシアのプーキシン美術館から来た

ルノアールの ジャンヌ サマリーの肖像を見に行った時

とっても見やすい綺麗な美術館で大ファンになりました

ジャンヌサマリー の肖像画一番大好き

現代美術は とっつきにくいけど

いってみようかなー

10月までやってるんですね

ではではまた

にいにい 2015年09月01日

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