山種美術館

山種美術館で開催中の

前田青邨と日本美術院

を観てきました。








今回は山種コレクションが持つ前田青邨の全13作品が一度に公開され

それとともに、同時代の日本美術院の画家の作品、そして前田が残したそれらの画家の人たちについて述べられた記述なども
パネル展示されていました。


前田青邨の作品は初めて観たのですが
所々洋画の香りもするような気がしたり
色の重なりがとても特徴的に思えました。

スケッチに当たるものも公開されていて、
また前田本人のスケッチに対する考えも文章として展示されていたり、
決して多くはない展示作品数の13作品を通して、前田青邨という画家の一部を、しっかり堪能させてもらったように感じました。

今回は全体を通してみていくと

横山大観の作品があったり
速水御舟の《炎舞》が2年ぶりの特別公開だったり、
私たちと同じ時も生きていた奥村土牛の作品もあったり、

一口に日本画といっても
時代や画家の特徴がそれぞれに大きく異なることがはっきりとわかり
とても面白かったです。

やっぱり
菱田春草は
好きだなあ

今回は菱田春草の《月下牧童》が特に素敵でした。
昔の月明かりは
今とは全く違ったんだろうなあ。
そんな月夜に想いを馳せながら。


朦朧体の透明感は
本当に魅力的。
でも現代の私たちを感動させてくれる朦朧体も、出てきた当時は、
「なんだそりゃー邪道じゃ邪道!」みたいに扱われたり、なかなかすんなりと評価されなかったジャンルのようです。

いつの世も新しいジャンル、時代のはじまりは
「意味わからん!だめだめ」とか
「なんだそれは!!!」みたいにお怒りをかったりとか

そんなことがあるんだろうな。

ヨーロッパのフォーヴも野獣って意味で揶揄されていたし
印象派も、印象しかとらえていない未完成なものでだめだめ!みたいな言われ方をしたのがスタートだったわけだし。
今じゃ美術館巡りが趣味ですっていう人の半分くらいの女子が、西洋なら印象派が好きとか言うんじゃなかろうか、っていうのに。

時代を作るのは難しい。
けれど、きっと、
おもねらずに、自らの作家性を生涯貫いた人だけが時代、ジャンルを作ることができて、
その代表的な作家として美術史に名を残すことになるんでしょうね。
茨の道です。



さて

今年は屏風絵を観る機会にも
いつもより比較的多く恵まれている気がしますが
日本美術院の頃になると
屏風絵も全く異なる様子になることに気付かされます。

屏風が屏風としての職務を
がっちり全うしていた時代の
屏風絵とは、違っていて
個人的な感想としては、屏風というひとつの支持体になっているんだなあってこと。
キャンバスとか、和紙とか、板に描くとか、
そういう、描く面の一つという感覚が感じられ、
部屋で役割を果たす屏風という道具ありきで、それに部屋との空間を意識した絵を添えていく、という感覚とは全く違う、というか。


そんなあたりも
面白いなあ、なんて。


山種美術館
ミュージアムカフェの和菓子と抹茶のセットにも惹かれながら、ちょっと時間がなく、また次回。

ミュージアムショップもオシャレなグッズが多かったなあ。
いろんな美術館のショップの中でも、かわいいグッズなどのお買い物したくなるミュージアムショップのひとつ。



ということで
また行きたいな、山種美術館。

次の9月の特別展
「琳派400年記念 琳派と秋の彩り」
も楽しみです。


山種美術館

コメント

「売りの山種」さんが作った美術館ですね。
一度行ってみたいとは思っています。
山種さんの生涯も中々波乱万丈で調べてみると面白いですよ。

ニャーゴ 2015年08月22日

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