一路
浅田次郎さんの小説
『一路』(中公文庫)
上下巻を一気に読みました。
江戸は第14代徳川将軍 家茂公の時代
参勤交代で江戸へ向かう一部始終の物語。
ある日突然、参勤交代のいろはの何も知らないまま
参勤交代の采配を司る重要な役目、お供頭になってしまった小野寺一路。
周りは家の不祥事により四面楚歌。
とにかく絶体絶命、本当に無理、というところから始まった参勤交代。
それでも一路は
一路の中の諦めない気持ちと
これまでに積み重ねてきた学問、
そして密かに応援したい気持ちがあった、小野寺のお家とお殿様への愛に溢れた人々の心に
何度も何度も窮地を救われます。
絶体絶命に追い込まれては
すっと、なにか救いの手が伸びてくるのです。
それはやはり
それまでの様々な積み重ねがあったからこそ。
ご縁や、経験、学んできたことに
ひとつひとつ、一路は感謝しながら
前へ進みます。
「参勤道中は本所の江戸屋敷まで続く。小野寺よ父祖はみな、木曽谷よりも和田峠よりも、この板橋宿からの二里の道を中山道の難所と心得ていたはずであった。」
命がけ、決死の峠越え、谷越えをしてきた一路が
平坦で歩きやすい、最後の道のりで
様々なことを思いながら振り絞る場面は
胸が詰まります。
すごく素敵な作品に出会えて良かった(o^^o)
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