クリスマスソングの遠い遠い祖先

街にあふれるクリスマスソング

冬、雪、クリスマスがテーマとなった歌は

時代とともに、様々な作品が生み出されてきましたが

遡って、遡って、ぐぐぐぐーっと遡って行くと

教会音楽にたどり着きます。

名前だけは聞いたことがある方もいらっしゃるでしょうか。

グレゴリオ聖歌(Gregorian chant)です。
ちなみにこの時代の楽譜は現代とは少し違っていて
記譜法も今とは異なります。
現代では丸いおたまじゃくしが
当時は四角いおたまじゃくしです。
ネット検索をするとどんな楽譜なのか写真や絵が出てくると思います。


ここで様々な旋法が確立されます。

旋法は簡単に言うと、音階のことで

どれみふぁそらしど~

という私たちに馴染みのあるものも
旋法の1つです。

ちなみに
分かりやすく旋法をもう1つ紹介すると
沖縄音楽に使われる琉球の旋法は

どみふぁそしど~

で構成されています。

「れ」と「ら」が抜けているタイプなのですね。


教会音楽が現代ポップスの祖先となっているというのは
実は、クリスマスソングに限った事ではなく
現代のポップス、西洋音楽をベースとした音楽の始まりは
グレゴリオ聖歌、教会でのミサ曲での、1つのメロディーだけで奏でられる「単旋律」から始まりました。
最初は和音などもなく、単旋律だった音楽。
そこから様々な発展を遂げ
楽器も進化し、
曲調も変わって行き、
今、世界中に渦巻くヒットソングが生れ続けているところに繋がっているわけなのです。

降誕祭の内容を歌詞にしている、
キリスト教の教えを歌で伝えているという意味では
ミサ曲が、ポップスのクリスマスソングの祖先というイメージは
掴みやすいかもしれません。

逆に、こんな日だからこそ
あえて、その祖先を聴いてみるというのもいいかもしれませんね。

もともとは宗教的な意味合いが濃いものでしたが
最近は、芸術作品の1つとして
演奏会なども行われたり、
教会以外の場所でも演奏されたりもしています。

ウィーン少年合唱団がクリスマスのミサ曲などを収録したものも出していて
小さい頃からこれもよく聴いていました。

和音やぶつかり合う音があふれる現代の音楽に慣れた耳で
単旋律の歌を聴くと
透明感をより強く感じることが出来て、
ちょっと新鮮な気持ちになれそうです。

いつか、本物の教会で聖歌を聴くことができたら
きっと美しいだろうなと思います。
音楽はその場所で演奏されるにふさわしいように作曲されていることが多く、
おそらく教会独特の残響、響き方なども考えられた上での構成となっていると思うからです。

単旋律聖歌以外で有名なものは
ヨハン・セバスチャン・バッハ(Johann Sebastian Bach)作曲の
『クリスマス・オラトリオ BWV248』(Weihnachts-Oratorium)
(BWVは作品番号です)

もっと教会っぽいイメージをというならば

ギヨーム・ド・マショー(Guillaume de Machaut)の教会音楽なども素敵です。

そこから更に時代が過ぎ
ルネサンス時代に発展、集大成されて行ったのが
ギヨーム・デュファイ(Guillaume Dufay)の教会音楽。

丁度我が家では
ギヨーム・デュファイの曲を聴いています。

ミサ曲を気を付けて聴いていると
歌曲は歌詞に「キリエ」「キリエエレイソン」などが出てくるのに気が付くかもしれません。


この歌詞を聴くと
大学時代の授業で
毎週「キリエ・エレイソン」とみんなで歌っていた1年生の頃が懐かしいです。

ちなみに「キリエ」(ラテン語もしくはギリシア語の文字を出せないので断念します。気になる方はネットで検索してみてください)は、意味としては「主」
そして「キリエ・エレイソン」で「主 憐れめよ」と訳されることが多いですね。


毎週毎週「キリエ~エエエエ~エ~、エレイソ~ォ~オ~ォ~ン」と歌う授業をやっていたからといって
我が大学はミッションスクールでもないし、私も家のお墓は仏教式なんですけれど
西洋音楽を知る上では絶対に避けては通れない祖先なので
しっかり勉強したんだったよなあなんて懐かしく思うのでした。

コメント

うーん、さすがに、音楽に関しては、特に造詣が
深いですね。るんるん

音楽には疎いので、とっても勉強になりました。芽

まるみる 2012年12月27日

今のポップスをたどるとミサ曲にたどり着くのですねウッシッシ

とっても興味深く読みましたよほっとした顔

バッハやヘンデルのあの数学的な調和を持った旋律がとっても好きで気が向くと聴いています

バッハはミサ曲も素晴らしいのですが
ゴルドベルグ変奏曲やパルティータが大好きですね手(チョキ)
ヘンデルは矢張メサイヤが好きです

炎の人 2012年12月25日

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