場所の空気

大きなターミナル駅に行くと、その街ごとに人の流れ方が違うなと感じることがあります。
何か、その街独特の癖のようなものがあるように思うのです。

例えば、自分がよく行く街は、混雑していても
案外するりと歩いて進めたりします。
おそらく場所をよく知っているということもありますが、
人の流れ方に慣れているからじゃないかと思うんです。

あまり行かない街に降り立つと、
ターミナル駅独特の改札を出るまでのごちゃごちゃ感で、
まずはスムーズに進めなかったり、
改札を出てからも、なんだか人によくぶつかりそうになったり。

広い場所での人の流れる方向と、
人の歩くスピードなどに違いを感じることがあります。

例えば同じ街でも平日なのか、休日なのか、
他にも時間帯によって、人の流れが変わることがあります。

知らず知らずのうちに、その街のリズムが自分の移動の
基本リズムになっているのかもしれません。

たくさんの人であふれかえる横断歩道も、
よく使う道ならスムーズに渡れるのに、
あまり来たことがない場所だと、なんだかモタモタして時間がかかったように感じたり。

温度の差もあるかもしれません。
例えば、私たちの仕事は、曜日があまり関係ないお仕事です。
月曜日から金曜日までの平日のムードと
土曜日や日曜日などの休日のムードの
大きく分けて2種類が街にはあると思いますが、
そのムードとは間逆な動きをすることもあるのです。

世の中が休日ムードでも、自分は仕事モードだったり、
世の中が仕事モードな日に、だらりとブラブラしていたり。

外に出ると、そういう他者から発せられる空気感のようなものが感じられるので、
それもまた面白いと感じたりします。

でももしかしたら
これらは人が発しているということと同時に、
場所が発していることかもしれません。

街が流す空気に、人が同調しつつ、
人が発する空気と街が持つ空気が混じり合って作り出す
独特の雰囲気。

渋谷には渋谷の、
横浜には横浜の、
秋田には秋田の、
見えない何かが漂っているんです。

それはただ単に場所が違うということだけでは片づけられない何か。

東京に戻ってくると、
たとえ混雑していてもなんだかホッとするなと思うのは、
帰ってきたという移動の問題だけではなく、
馴染んだ場所の空気に触れる瞬間があるからかもしれません。

http://beamie.jp/?m=pc&a=page_fh_album&target_c_album_id=524

コメント

不適切なコメントを通報する

最新ブログ

感謝の気持ち
目に見える変化と見えない変化
紙コップを考える
プラスチックフリーを意識した暮らし