かの有名な作曲家
ウォルフガング・アマデウス・モーツアルト(1756~91年)が
わずか11歳の頃に作曲したであろう作品が発見されました。
見つかったのは去年の夏頃。
オーストリア西部のチロル州にある民家の屋根裏にて。
この、今まで知られていなかった
未発表曲が発見された
というニュースもすごいことなのですが、
もっとすごいのは
モーツアルトがかつて愛用していたピアノで
この曲が演奏されたということです。
ピアノというのは
今ではほぼ完成された形として
世界中に広く知られる楽器の1つです。
鍵盤の数も88鍵のものがほとんど。
メーカーの違いはあるものの、
大きな違いはあまり見られません。
ところが
この現代のピアノの形になるまでの間、
ピアノという楽器は様々な形をとりながら
発展してきた楽器なのです。
つまり、
モーツアルトが実際に弾いていたピアノは
私たちが現在、見ることができるピアノとは
大きく異なる楽器なんですね。
鍵盤の数はもちろん違いますし、
弾く側から言えば、鍵盤のタッチも全く違うもの。
音の響き方も違うし、
本当に様々な違いがあるんです。
ですから、
当時作曲された曲を
現代のピアノで演奏しようとした時に
なんらかの不都合が生じるのは
ある意味当然のこと。
ピアニストはテクニックでそれをカバーし、
不都合なく、しかも「モーツアルトらしく」演奏するわけなのですが、
楽曲を解釈し研究する上では
当時の楽器がどのような状態だったのか知ることは
とても重要なことでもあるのです。
作曲者が当時使っていただろう楽器や、
当時一番メジャーだったその楽器の状態で演奏することで
いろいろな楽曲の疑問が一気に解消されることもあるかもしれません。
現代のピアノでも
演奏していると
メーカーや調律師さんによって
全く違うピアノのように感じることもあるくらいですから、
時代が変わって楽器のそもそもの構造が違ったり、
材質も違ったりすれば
それはかなり大きな違いとなることは
間違いないだろうと想像できます。
今回、新たに発見されたモーツアルトの曲が
当時の楽器で演奏されたというのは
とても素敵で、貴重なことだと
ニュースを読みながら、「おお~」と一人感嘆しておりました。
ビーアミーにものっていた
ニュース記事はこちら
http://beamie.jp/?m=pc&a=page_newsdetail&newsid=48713
当たり前だと思っていた
モーツアルトの曲が
もしかしたら全く別の雰囲気を
もった曲かも知れないんですね。
当時のピアノで奏でた曲を
一度じっくり聞いてみたいです。