ノンフィクションの力『地雷処理という仕事』

最近、あちこちネットで本を調べていると
何度かいろんな場所で見かけるなあと思って
気になっていた本を読みました。

『地雷処理という仕事-カンボジアの村の復興記』(クラフト・エヴィング商会)
高山良二さんのノンフィクション本です。

著者の高山さんはカンボジアで地雷処理の活動をする元陸上自衛官。
55歳の定年まで自衛隊に勤務され、
その中で道路や橋の構築、地雷の専門的な訓練をされた方です。

この本には、カンボジアのタサエン村にて
住民を訓練して地雷探知や除去に参加してもらった様子が書かれています。
高山さんは、この活動により、村人たちには仕事ができて、
貧困解消と地域の自立復興につなげようとしています。

地雷の現状と除去を仕事にする人たちの様子は
テレビのドキュメンタリーなどを通じて
少しは知っていましたが、
このように焦点を当て、しかも自らが活動している様子を細かく書き記した本を読むのは初めてでした。

地雷除去はやはり命がけの仕事です。でも、

「この事業に携わることになった時、私は、ある方に「一命をもって、このプロじぇうとを成功させます」と、言いましたが、地雷除去中に失敗して命を落とすことは、考えてはいません。基本をきちっと守っていれば、事故など起きないと思っているからです。」

と高山さんは述べています。

最近、この2年くらいの間に、プロの心構えについて
考えることが何度もありました。

プロはその道の中では死なないし、
死んではいけないのだと
改めて胸に刺さる言葉でした。

日本を離れてカンボジアで暮らすうちに
「ター」(おじいさん、という意味)で村の人たちから呼ばれるようになり
慕われるようになった高山さん。

ごみを路上に捨てるのが当たり前の様子など、

「カンボジアでは、ゴミを捨てる人が普通の人で、ゴミを拾う人は変な人です。」

とまで言われて文化の違いに戸惑うことも多かったようですが、

素敵な面にもたくさん出会っています。

例えば、みんなで食事をする時に
中央にある料理をとりわけて食べていると
5人前の料理を7人で食べても、10人で食べても、
最後はなぜか少し余ってみんな満腹になれるのだとか。

「奪い合えば足りませんが、分け合えば余りますよ。」
とカンボジアの人が答えます。

こういう、人のステキさって
やっぱり直接の触れあいを通して感じるものだなと思います。

で、

やっぱり
旅に出たい!

ともかく
さすが
あちこちで話題になっている本でした。


コメント

地雷除去の仕事の話。
今でもあるんですね。
恐ろしい事ですね。
早くこういうのがなくなる世の中になって欲しいです。
なかなか表に出ない事がわかる本は見つけるのが大変ですよね。

まりさん、今日は、というか、今日も、いい本に
出会えて、幸せでしたね。

明日も、良い本に巡り合えると、いいですね。

まるみる 2011年06月18日

スゴいですね。プロ意識と、技術力と、使命感…いずれが低くても、彼の見ているものは見えないんでしょうね。
“プロ=自分”という捉え方は、“プロ”を他人に求めるモンスター消費者が増えている昨今、ひじょぉおおおにexclamation学びたい姿勢です( ̄∧ ̄)ゝ

2011年06月16日

俺はDVDですが、ザ ハートロッカーというのを観ました。

爆弾処理兵の話です。
戦争映画なんですが、勇気を貰えましたよ。

あれも、実話を元に作られている気がしました。

まりさんは、戦争映画は好きですか?

2011年06月16日

「プロはその道では死んではいけない」
格好いい言葉だね!
前にもニューギニアで戦争の話したけど、ここにも米ソ冷戦時代のつけが…全く(>_<)
被害者はいつも武器を持たない一般人!

戦争は絶対ダメ!
肝に免じましょう(-゜3゚)ノ

アイドルヲタ 2011年06月16日

なぜ地球上に、たくさんの地雷が残っているのだろう…?

背景はよくわからないけど、悲しいことだよね

南栗橋博士 2011年06月16日

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